前世戦闘系審神者は鬼を狩りまくる。2

59話 ページ34

「君が今回の任務で一緒の獪岳君？」
「あ、はい。えっと、月柱様で？」

声をかけると堅苦しい返事が返ってきた。
うん、緊張してるんだな、きっと。

「そんな堅苦しくなくていいよ。俺は影梨Aだ。」
「存じてます。俺は獪岳といいます。」

うん、やっぱり堅苦しさは抜けないか。
ちょっと悲しいが、まぁ任務に師匠が無いなら構わないな。

今回の任務はある村の人が一晩にして消えたという事件の調査、及びに鬼であった場合の討伐だ。

なぜ柱の俺が出張るかと言うと何人かの隠、隊士数名が行ったきり帰ってこないからだ。
だから柱の俺と経験を積んで階級が高い獪岳君に任務が回ったわけだ。

「と、着いたか。」
「そうみたいですね。」

家を一軒一軒回るが人の気配がしない。
だがどこか妙だ。

「おかしいな。」
「なぜ？」
「だって、鬼に襲われたってんなら、家が半壊されてたり、こう、もっとぐちゃぐちゃだろ？」
「あぁ、確かにそうですね。」
「よく見て見ろよ。」

そういうと獪岳も気づいたのか

「あ、」

と言葉を漏らす。

「だっておかしいんだよ。仮に鬼に襲われていたならば、こんなきれいなはずがない。」

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