十七話 ページ18
.
『わ……醤油切れてる……』
ここにきて何日か経った夜。
相澤さんは今日残業があるらしく、先に食べててくれとのこと。
少し残念な気もしたが、仕事なら仕方ない。そう思い、自分の夕飯を作ろうと思ったのだが……。
『面倒だけど仕方ないよね……買いに行くかあ……』
諦めて別のメニューにするのも考えたが、どちらにしろ醤油は調味料として使うものだし今買っておこう、と財布をポケットに入れ、スーパーへ向かった。
.
.
『買えた買えた。さっさと戻ろっと……』
無事醤油を買えた私は、家に帰ろうと足を進める。
.
_______……完全に油断していた。完全に浮かれていた。
流石にここまでいるはずが無い。そう過信していた。
それは、間違いだったようで。
後ろからコツコツと鳴る足音。
左へ曲がっても、右へ曲がっても足音は依然途切れない。
間違いない、あのストーカーだ。
『……っ……う……』
歩くスピードが自然と上がる。
それでも足音は消えない。同じようにスピードを上げて付けてくる。
『……っ、はあ……は、はっ……』
とうとう息が切れ、側にあった電柱の柱に掴まる。
『……はっ……は……、……？あれ……』
息がだいぶ整った頃、ふと足音が消えたのに気がついた。確認のため、一応後ろを振り返る。…………誰も、いない。
「……あれ？椎名……さん？どうしたんですこんな場所で……」
『ひっ……！？……っぁ……夢我、さん……』
不意に声が聞こえ、そちらに顔を向けるとスマホを手に持った夢我さんの姿が。
不思議そうにこちらを見つめていた。
「酷く震えてるけど……大丈夫？相澤さんは？一緒に家帰ろうか？」
『相澤さん、残業で……迷惑で無ければ、お願いできますか……』
もちろん、と言って夢我さんは笑う。
バクバクと激しく波打つ心臓が落ち着いていった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 415人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
サクラ(プロフ) - 桜音@さん» 絶対見ます!!!相澤先生が大好きなのでめっちゃ嬉しいです！お気に入りに追加させていただきます！これからも頑張ってください！応援してます!!! (2018年6月16日 11時) (
レス) id: 1bea3ff93b (このIDを非表示/違反報告)
桜音@(プロフ) - サクラさん» わああありがとうございます！番外編では、本編で少なかったと思われるイチャイチャを増やしたいと目論んでおります……良ければ覗いて下さると嬉しいです！ (2018年6月16日 11時) (レス) id: 5ab7bb9a6f (このIDを非表示/違反報告)
桜音@(プロフ) - 立花 雪さん» んんん泣いてくださったとは…！！！有難い！！（こいつ）泣ける作品目指してました…。続編でもよろしくお願いします〜〜！ (2018年6月16日 11時) (レス) id: 5ab7bb9a6f (このIDを非表示/違反報告)
桜音@(プロフ) - すいさん» ウ"ッッッありがとうございます…！！実は書いた中で一番気に入っているストーリーなので嬉しいです……。続編を作成いたしましたので覗いて下さると嬉しいです！相澤先生好きが増えて本望です…！ (2018年6月16日 11時) (レス) id: 5ab7bb9a6f (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - めっちゃ泣いた、続編みたいし番外編で椎名さんと相澤先生のイチャつきがみたい！めっちゃ感動しました！ (2018年6月16日 9時) (レス) id: 1bea3ff93b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：桜音@ | 作成日時：2018年5月4日 15時
