君と紡ぐ1ページ【K.T】 (ページ8)

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新学期が始まって1ヶ月が経ち気づいたことがある

海人くんは超がつくほどの人たらしで誰とでもすぐ打ち解けられる

人懐っこい笑顔で周りを自然に笑顔にしていて犬みたいだ

そんな海人くんはたまに校庭の木を眺めていることがあって

その時は必ず1年前桜の下で見た顔をしていて

私はどうしても声をかけることが出来ない

今にでも消えそうで、触れると壊れるような気がしてならなかったから

ほら、今日も校庭を眺めている。君はなにを思ってそんなに儚い顔をしているの？

いつか聞ける日が来るだろうか

髙｢Aちゃん、おはよ｣

｢お、おはよ｣

急に振り向いて話しかけてくるから驚いた

海人くんと同じように校庭を眺めていると

消え入りそうな声で君はこう言った

髙｢ねぇ、Aちゃん俺のこと覚えてる？｣

｢え？｣

髙｢ごめん、やっぱ今のなし！｣

なに？どういうこと？

君が辛そうに笑うから声をかけることが出来なかった

なにか大切なことを忘れている気がする

でもその大切なことがなんなのか分からなかった

いつか思い出せる日は来るのかな

君がそんなに悲しそうに笑う理由も知れる日は来るのかな