鎖【月永レオ】【天祥院英智】 (ページ1)

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大人は、勝手だ。

勝手に愛し合って、子ども生んで。愛が冷めたから別れて。
世話が出来ないから、子どもを放置して。自分は新しく、別の女を作って。

「……寒い…」

……どのくらい、歩いたのだろう。
足が、寒さでまともに動かない。仕方なく、私は路上に座り込んだ。

私の名前は、A。親が離婚して父に引き取られたものの、新しく出来た父親の恋人から日々暴力を振るわれて、ついに今日、家を飛び出してきた。

今の私にはどこにも、居場所なんてない。
これから、どうしたらいいのだろう。そう思って目を閉じると、ふと、自分の前に黒い車が一台、停まった。

眩しい光に、思わず顔をあげる。

そこで見えたのは、金髪の…綺麗な顔をした、男の子だった。

「…君、どうしたの？」

男の子はそういうと、私に手を向けてきた。
私より、二、三歳くらい上だろうか。

「こんなところに座っていると、風邪を引いてしまうよ？」

「……帰る、ところがない」

やっとの思いで、出せた声。
彼は私の言葉を聞いて、少し悩んだあと……私を、ぐい、と引っ張った。

「……え……」

「決めた。この子にするよ」

男の子はそういうと、私を車に乗せた。