鎖[3]【月永レオ】【天祥院英智】

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今日は、休みだったから……久しぶりに、こんなに寝た。
ふぁ、とあくびをする。寝足りないとかじゃないけれど、寝起きはいつでもこうなんだ。




運ばれて来た、二人ぶんの食事。もう昼ごはんに近い。
たわいのない話をしながら、食事を終えると…私は一旦自分の部屋へと戻り、着替えを済ませた。


そして、戻ってくると…
彼の姿は、そこには無くて。




「英智さん？」



そう呼びかけても、返事はなかった。
お手洗いだろうか。けど、個室の明かりはついていない。
そのうち戻ってくるだろう、と思って待つこと10分。戻ってくる気配はなかった。
不思議に思って、部屋を出る。一階にいるのかな、けどなんのために？呼び出されたのかな？…そう思いながら、私は階段を降りた。




「……？」




話し声が、聞こえる。
客室の方からだった。…いけないことだとわかっていても、私は客室の側に近づく。
きょろきょろと回りを見渡し、耳をすませた。





「…………は、……相手に…」





「………で………英智も…………」




…英智さんの、名前？
いったい、何を話されているのだろうか。…盗み聞きなんてしてるのをバレたら、もう英智さんのフォロー…と呼ぶべきなのか、それがないから…確実に、私はクビだろう。
そんなことを思っていると、私の耳に信じられないような言葉が、飛び込んで来た。




「それで、見合いの話は考えていただけましたか？」




…見合い？
聞きなれない、その単語を理解するまで…私は、10秒ほどかかった。

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