【鬼灯の冷徹】輪廻転生〜矛盾〜

伍拾壱 ページ5

鬼灯side




サタン「あの…」


食堂にサタン様をお連れしていた時だった


不意にサタン様に声を掛けられ、振り向くと、立ち止まって少しもじもじしていた



…何してんだ、あのおっさん……



鬼灯「どうされましたか」


サタン「あの、その…」



…あの様子だと、どうせAさんのことでしょうね


このガチムチ、一目惚れしやがりましたから



年の差分かってんでしょうか？



サタン「し、白雪姫…ﾎﾞｿｯ」





鬼灯「……は？」




白雪姫？




鬼灯「…何の話ですか」


サタン「だから、白雪姫は…その…」


鬼灯「いやあの、白雪姫って何ですか」


サタン「え、白雪姫知らないの？ほら、毒りんご食べたあのお姫様」



それは知ってる



鬼灯「サタン様のおっしゃっている白雪姫はその白雪姫ではないでしょう」


サタン「なっ！！？ななななな、何で分かる！？」


狼狽えすぎです



そのくらい、誰にでも分かりますって…



鬼灯「それで、白雪姫とは何の話ですか」


サタン「さっき私の好き嫌いを聞きに来た大和撫子のことだ」


鬼灯「…Aさん…？」


サタン「なるほど、白雪姫は「A」というのか」



…しまった…



このガチムチにAさんの名前を教えてしまった…



サタン「黒い髪、雪よりも白い肌、薄い唇…まさに日本の白雪姫だ！」



それは否定しません、その通りです



ですが…



鬼灯「白雪姫がどうしましたか」


サタン「えっと、Aちゃんは」


鬼灯「白雪姫」


サタン「え？」


鬼灯「白雪姫」


サタン「えっと」


鬼灯「白雪姫」


サタン「…白雪姫、は…」


鬼灯「はい」



私は満足げに頷いた



よろしい


貴方ごときにAさんの名前を呼ばせるわけにはいきません



サタン「…お付き合い…とか、してたり…」



殴ってもいいですか、いいですね、殴ります



ﾄﾞｶﾞｯ



サタン「キェーーーッッ！！！何！？何で急に殴りかかってくるの！？！？」



チッ、避けられたか




鬼灯「申し訳ありません、虫がいまして」


サタン「ほっ、本当に？それ人の形した虫じゃないよね？」


鬼灯「えぇ、勿論です。「虫」を消そうとしただけですよ。「虫」は、「害」が及ぶ前に駆除するに限りますから」



サタン『いや今のは絶対に私を狙ってた！！
…しかも「虫」って…』



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー※サタン様が夢主ちゃんに一目惚れして機嫌が悪い鬼灯さま

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