救世記＿battlespiritsrevival＿【異変の始まり】 (ページ29)

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何で……(零雄side) ページ29

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＿＿ドサッ！

｢がっ…はっ…!!｣

麻｢零雄さん!｣

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壁に容赦なく叩き付けられ
体内の酸素が無理矢理外へ吐き出される

口の中は鉄臭い味が充満し、制服は薄汚れ
四大天使の一人"ウリエル(神の炎)"の力を媒体化させた
赤い赤い刀身の日本刀を持つのも苦しい

つまり、体はもうボロボロだった

路地裏で遭遇した敵のコカビエルは戦斧だけではなく
赤ずきんからなぞらえられているのか
黒いドロドロしたもので何十体のも狼を作り出し攻撃を仕掛けてくる

多勢に無勢、とはよく言ったもんだと
俺はこんな状況でも心の中で思ってしまう

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(参ったもんや、こうも上手くいかんもんかぁ……？)

コ｢あららぁ？私を食べに来た
　狼のくせしてこの程度なのぉ？
　もっともっとぉ、抵抗しないとダメじゃなぁい☆｣

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既に自分が捕食者だとでも言う様に
コカビエルは戦斧をグルン、と回すとそのまま歩いて
俺へと刃を向ける

赤ずきんの表情は憎悪だった
綺麗な筈の金髪碧眼も、恐ろしい化け物に見えてしまう

でも、それは自分へ向けているのかは定かではない
何故だか解らないがその感情は自分には
向けられてはない気がした

本当に、此所には居ない誰かで……

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コ｢最初は狼さんを殺して、次にあの子を殺して
　そうしたらぁ……昨日の子も殺さなくちゃ駄目よねぇ☆｣

｢っ!?!?
そ……んな事、させへん…!
はるやんは……関係無いんや…!!(ｸﾞｸﾞｸﾞ…｣

そんなのは絶対に駄目だ
遥は関係無いんだ、こんな事に巻き込まれる必要だって無い

いつも通りの日々を過ごしている筈なんだ、今だって

刀の柄をギリギリと握り
立ち上がる為にボロボロの体にムチを打つ
ここでこいつを倒さなければ、遥へと被害がいく
それは絶対に避けなければならない事だ

そんな光景を嘲笑うかの様に
赤ずきんはケタケタと嗤う

悪魔が人間を馬鹿にする

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コ｢ほぉんと、人間は滑稽な生き物ねぇ…
　"黙れ人間｡たかが天使の適合者が我等堕天使に刃向かうか｡"｣

｢くっ!｣

敵が戦斧を振り上げたその時＿＿＿

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??｢やめろ赤ずきん!!!｣

｢!?
はる……やん…?｣

路地裏の入り口

パーカーに黒学ランの少年が立っていた

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