7匹砕ける。【消滅:桃】 ページ7
トントンの家から出て、皆とこれからすべきことの確認をしてからそれぞれの帰路につく。
俺らが出ていく直前まで、トントンは不可解そうな顔をしていた。
…エミさんを忘れてしまったの、トントンが最初で最後だと、いいのだけど。
いや後ろ向きになるのはやめよう、きっとあのエミさんの事だ
何もなかったかのように笑いながら俺たちの前に現れてくれるに違いない。
だから、大丈夫。
そう思って顔をあげると。
「……は、嘘やろ…」
目の前に、四角いゲーム世界が広がっていた。
城のような場所、前にここで『おにごっこ』やらんかったか？
手に持ってたはずの携帯も荷物も何もかも消えている。
服装だってマイクラのスキンと同じだし…
なにより、「天」と書かれた紙が眼前にある。
……どうやら気づかないうちに、俺は鬼ごっこの世界に飛ばされて、
キャラクターとしての「ロボロ」の格好に変わってしまったらしい。
…いやどういうことやねん……！！！
っ、というか、酷く嫌な予感がする。
もしかして、もしかしたら、もしかすると。
「ｯこれ、エミさん忘れる前兆か……？！」
「ご名答。流石ロボロさんですね。」
ぱちぱち、と手を叩く音と共にエミさんが現れた。
城の中からゆるりと出てきて、歩みを進めて、くすくす笑う。
俺は、咄嗟に無くなった携帯を探そうとした。
今すぐ皆に伝えなくては、エミさんはゲーム世界にいるって、早く、
そうじゃないと、きっと多分、エミさんは
「…携帯なんて必要ないですよ」
「ｯ俺には必要なんやｯ、て？…ｯ？！！」
何も持ってなかった手に、紫色に妖しく光る斧が握られている。
…はえー、マジックか？
いや現実逃避してる場合じゃないやろ俺！
しかもなんやこれ変な力働いてるやんけ…！
斧を振りかぶりそうになる片手をもう一方の手で必死で抑える。
「あなたの口のうまさにはいつだって驚かされました。
全てを欺けるような、素晴らしい嘘。
…俺にもそんな技巧があればもう少し上手くやれてたのかもしれへんなぁ」
口調をふいに砕けさせ、エミさんは歩みを進める。
やめろ、やめてくれエミさん、それ以上近づいたら、
この斧、止めらんなくなる。絶対。
焦る俺に、エミさんは1歩、1歩、着実に歩みを進めてきた。
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慧羽 - この話ヤバい…めちゃくちゃ泣きました。今ちょうど、好きなユーチューバーがアンチのせいで辞めてしまって、ちょうどアンチにとても怒ってたので、本当に泣きました…。神すぎる作品を作って頂き、ありがとうございます!! (2022年8月11日 20時) (
レス) @page50 id: 55059b1f92 (このIDを非表示/違反報告)
森の民(プロフ) - 半分ファンタジーで、半分は現実でも起こることなんだなぁ。一気に読みました。神小説ありがとうございます。 (2022年8月10日 22時) (レス) @page45 id: 6c1a629d1f (このIDを非表示/違反報告)
ふかふかおふとん??(プロフ) - 神ですね涙がとまらない (2022年8月10日 20時) (レス) id: 1455eebfad (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼ双子(プロフ) - 何この作品⋯!!神すぎる⋯泣きました。涙腺崩壊です⋯。本当アンチとか群れないとなんにもできないくせにいらないですよね⋯。本当この作品神すぎます。好きです (2022年8月10日 15時) (レス) @page14 id: b167e19be9 (このIDを非表示/違反報告)
天天(プロフ) - 泣いた。今もスレとかあるからマジでスレ消したい。アンチとかなんであるんだろなぁ… 自分が叩かれてたらって思ったらゾッとするはずなのに。個性じゃん。この作品マジで神ですね。好きです（唐突） (2022年8月10日 14時) (レス) id: bc837922a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：マンゴスチン | 作成日時：2022年8月8日 7時
