『あなたがさした傘』7 ページ33
リヒトside.
春から大学生。
大学生たちはその言葉に浮かれ、皆各々の思う大学生を満喫するものだ。
例に漏れず、俺も同じようにサークルに入って交友を深めたり、語学授業でも友達を作り、色んな飲み会に参加していた。
受験から解放され、人生の夏休みを満喫する。
そんな俺にとってバイトは、味気なく、つまらないもので、苦痛だった。
遊びたいがために、時給の高い朝方勤務の単純作業に応募したのだが、眠気でどんよりとした気分の中、同じく生気のない人々と、黙々作業をするソレは人生で最もつまらない時間だった。
はやく、遊びたい。寝たい。飲み行きたい。
辞めてしまおうかと考えたが、この周辺は大学が多いため学生が非常に多く、バイトを新たに探すことは困難だった。
目の前で黙々と作業をする主婦を見つめる。
肌は白く、化粧もしてないから、本当に生気がないみたい。
しかし、改めて見ると、思いのほか整っていることに気づく。
『…あの…なにか?』
ぼーっとみていた事に気づかれ、慌てて取り繕う。
「すみません、ぼーっとしてました。はは」
『……そう、ですか。』
にこりともせず。
気まずさにまた苦笑いして、自分の作業へと向き直った。
Aさんとは、バディとしてよく組むことがあるが、何を考えてるかわからなくて、正直苦手だ。
コミュニケーションもほとんど取らないため、時間的には1番長くいるのに、最も距離が遠い気がする。
ただ、仕事は早いため、一緒に組むのは嫌ではなかった。
どんな人と組んでも憂鬱な気持ちは変わらないだろうから。
バイト先の無口な主婦、それ以上の印象は無い。
別に、Aさんとそれ以上関わることは無いだろうと思っていた。
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やなぎ茶(プロフ) - ayuさん» 本当ですか〜❣️嬉しくてあったかいお言葉ありがとうございます😭がんばります! (11月13日 22時) (レス) id: 5b37ec5afa (このIDを非表示/違反報告)
ayu - やなぎ茶さん» なるほど😮💡了解です👍🏻 ̖́-︎亡霊、拝見させていただいています!やなぎ茶様のペースで更新頑張ってください🥹💖 (11月13日 7時) (レス) id: 9a7e8648d6 (このIDを非表示/違反報告)
やなぎ茶(プロフ) - する予定ですので、その時ご機会あればよろしくお願いします☺️ (11月13日 1時) (レス) id: 5b37ec5afa (このIDを非表示/違反報告)
やなぎ茶(プロフ) - ayuさん» ayu様コメントありがとうございます❣️そちらですが、続編のお話が長編化したもの(亡霊)と、途中まで書いたものがありまして、中途半端なのと年内更新予定がないため現在は非公開にしております💦 また年明けには公開して更新 (11月13日 1時) (レス) id: 5b37ec5afa (このIDを非表示/違反報告)
ayu - コメント失礼致します🙇♀️この作品の続きが気になるのですが、パスワードはどうすれば教えていただけるのでしょうか…?どこかに書いてあるのなら確認不足です;ᯅ;すみません、! (11月12日 20時) (レス) @page46 id: 9a7e8648d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:やなぎ茶 | 作成日時:2023年3月27日 18時