『あなたがさした傘』6 ページ32
．
『いただきます……。』
頬張ったその一口は熱くて、少ししょっぱい。
しかし、胃に落ちる雑炊はあたたかく、冷たく
『美味しい……。』
久しぶりに、食べ物を味わって食べた気がする。
家にいる時はリビングにいたくなくて、ずっと食事の時間が嫌いだった。
すごく、美味しかった。
食事が、こんなに幸せな気持ちになるものなんて、知らなかった。
「うぇっしょっぱ！！ 塩入れすぎた」
隣で雑炊を口に入れた池��くんが、不味そうに口を開けながらそう言う。
「すんません、食べなくて良いですから。作り直します。」
隣に胡座をかいていた池��くんが、私の皿を下げようと手を伸ばした。
『全然、……大丈夫だよ。』
「でも、体に悪いですし…」
隣で申し訳なさそうに、やっぱり慣れないことするもんじゃないっすねと、苦笑いを浮かべる。
この人は、なんでこんなにも私に優しくしてくれるんだろう。
『ほんとに、美味しいよ。』
また、私はスプーンを口に運ぶ。
しょっぱくて、あったかくて、優しい味。
すごく、幸せな気持ちなのに泣きたくなるのは、久しぶりの感覚だった。
ずっと前、結婚式で、私、泣いたんだよ。
嬉しくて、泣いたの。
ずっと、この人といられるんだって。
『美味しい、……すごく、…………美味しいから』
滲んだ涙が、ボロボロと頬を流れ落ちていく。
泣き虫な大人になってしまった。
今日彼に何回泣き顔を見せてしまったんだろう。
『だから、……作り直さなくて、大丈夫です。』
そんな私を見て、池��くんはもう作り直すとは言わなかった。
「……良かったです。」
遠慮がちなその手は、私の背中を安心させるように撫でる。
男の人の手は苦手だった。
もうずっと、怖くて嫌いだったのに。
池��くんの手は、すごく優しくて、大きくて、あたたかい。
この手がずっと離れなければいいなんて、そう思ったんだ。
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やなぎ茶(プロフ) - ayuさん» 本当ですか〜❣️嬉しくてあったかいお言葉ありがとうございます😭がんばります！ (11月13日 22時) (
レス) id: 5b37ec5afa (このIDを非表示/違反報告)
ayu - やなぎ茶さん» なるほど😮💡了解です👍🏻 ̖́-︎亡霊、拝見させていただいています!やなぎ茶様のペースで更新頑張ってください🥹💖 (11月13日 7時) (レス) id: 9a7e8648d6 (このIDを非表示/違反報告)
やなぎ茶(プロフ) - する予定ですので、その時ご機会あればよろしくお願いします☺️ (11月13日 1時) (レス) id: 5b37ec5afa (このIDを非表示/違反報告)
やなぎ茶(プロフ) - ayuさん» ayu様コメントありがとうございます❣️そちらですが、続編のお話が長編化したもの（亡霊）と、途中まで書いたものがありまして、中途半端なのと年内更新予定がないため現在は非公開にしております💦 また年明けには公開して更新 (11月13日 1時) (レス) id: 5b37ec5afa (このIDを非表示/違反報告)
ayu - コメント失礼致します🙇♀️この作品の続きが気になるのですが、パスワードはどうすれば教えていただけるのでしょうか…？どこかに書いてあるのなら確認不足です;ᯅ;すみません、！ (11月12日 20時) (レス) @page46 id: 9a7e8648d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やなぎ茶 | 作成日時：2023年3月27日 18時
