90.過保護 ページ40
・
ヒューッ
「_____わっ!」
その時、強い風が吹き抜けた。
Aの帽子は 彼女が下を少し向いたが為に緩み、
あっという間に飛ばされた。髪の毛を片手で
押さえながらも飛ばされた帽子は捕らえられない。
ガシッ
少し離れた所で、先を歩く伏黒が手を伸ばして
その帽子を見事 手に捕らえた。そのまま伏黒はAの
前まで歩くと、その頭に深く帽子を被らせた。
「ちゃんと被っとけ。後、前見てろ。
変に下向くから帽子がずれるんだろ」
「うん。ありがとう、恵…」
「……帰りたいのは分かるが、もう少し頑張れ。
歩けるか?」
「…帰ろうとしてなかったし、
最初よりはマシってさっき言った。歩けるし大丈夫」
何だか子供に対して自分が相手されているように感じて
Aは口を尖らせて、伏黒を置いて先を歩く。
「大丈夫ならさっさと歩けよな…」
その態度に面倒を感じつつも、ようやく
顔を上げて歩き始めたAを見ては
少しだけ安心した伏黒。
2人のやりとりを密かに見ていた五条と虎杖は
微笑ましく思っていた。
「恵はAの事 放って置けないんだよね」
「意外と面倒見いいな、伏黒」
「…何微笑ましくなってんですかそこ。
後、意外とってなんだ虎杖」
・
「ちょっといいですかー?
自分、こういう者ですけど。
お姉さん モデルの仕事とか興味ない?」
道の反対側で通行人の女性を
スカウトする男性が歩いていた。一見ただの
モデルのスカウトに見えるがどうやら違うらしい。
「…ナンパ、ですか?」
「そう。だから声かけられても絶対無視!
それか僕に電話しなさい!」
「いや、電話って…
過保護な父親みたいなこと言わないで下さい」
「えー…だってAは何かと世間知らずそうだし?」
確かに、世間知らずな自覚はある。というよりも、
今まではその世間というものも興味はなかった。
今だってないが、こうして高専に入った事で
世間と触れる機会があるから知っていってるだけ。
五条の言葉を半分聞き流していると、
例の
「急いでるんで…」
「話だけでもぉ〜」
ガシッ
「_____ちょっとアンタ。私は?」
その現場に乱入者が現れた。
男の肩に手を置き、親指を立てて自分を指さす女。
しかもその女…A達と似たような制服を着ていた。
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結祈華(プロフ) - カノンさん» 好きと仰って下さりありがとうございます!嬉しすぎました!これからも頑張らせて頂きます。 (2023年1月27日 23時) (レス) id: 074ff9457b (このIDを非表示/違反報告)
カノン(プロフ) - いえ!修正ありがとうございます!とっても好きなのでこれからも頑張ってください! (2023年1月27日 17時) (レス) @page31 id: 3fc6711829 (このIDを非表示/違反報告)
結祈華(プロフ) - カノンさん» カノン様。そうですね…間違えておりました。9ページの方を訂正させて頂きます。コメント及びご指摘頂きましてありがとうございました。 (2023年1月27日 11時) (レス) id: 074ff9457b (このIDを非表示/違反報告)
カノン(プロフ) - コメント失礼します。アニメ第1話部分で亡くなったのは、おそらく虎杖悠仁の祖父だと思うのですが… (2023年1月27日 11時) (レス) @page30 id: 3fc6711829 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:結祈華 | 作成日時:2022年12月31日 20時