87.頼れ ページ37
・
「俺はオマエよりも器用じゃねえし、
弱いかもだけどさ…
俺だって、オマエを助けた事あるんだぜ？任せとけ！
…だから、頼れよ！____A」
あの猫は確かそう呼ばれていた。白神と同じ名前。
その名を口にして、虎杖は言いたい言葉を言い切った。
虎杖を見定めるかのように、
しばらく猫はジッと見つめ返していた。
「…ニャア」
猫が一声鳴いた時、風が強く吹いて猫の帯を撫でる。
そして、その風に乗って声が聞こえた気がした。
_____無茶するのは、キミもだよ。
「_____え」
女の声が聞こえてハッとした時、
猫は既にそこにはいなかった。
「悠仁、言いたい事は言えた？…まあ、
彼女は高専にいるんだし、この先も会えるけどね」
「……今、声…」
「声？」
「…いや、何でもない」
五条の言葉にあの猫は女なのだと知り、
聞こえた不思議な声も
もしかしたら猫の声なのかもしれない。
式神なら、そんな不思議な力があるのかもしれないと
虎杖は猫のいた方の木を見ると微笑んだ。
・
"誰かに守られるほど
オマエが弱くはないのは知ってる！でも…！
今度は俺もいるから！俺が！オマエを助けるから！"
"…だから、頼れよ！____A"
真っ直ぐに向けられた虎杖の言葉。Aは
思い出しながら木陰のベンチに座って考えていた。
今の彼女は人の姿。
"オマエ、強いから結構無茶するだろ？"
_____それはキミもだよ。
身を呈すると言った彼ほどではないと
言葉を聞いていて思った。何だか思ったより、
猫の事は気に入られてしまったらしい。
これでますます言い出せなくなってきた。
時間の問題なのに。
その時、近くから誰かの近付いてくる足音が聞こえる。
気配から1人…と、この足音は____
「恵？」
伏黒のはず。
顔だけ向けてみれば予想通り伏黒が立っていた。
「オマエもお人好しだな。わざわざ
隠してる相手の前に、猫の姿になってやるなんて」
「…五条先生がわざわざ
真希先輩を使いに出したからね。
呼びに来た先輩にも悪いし、そうするしかなかった」
「だろうな。あの人の差金とは思ったがな」
「話しを聞いただけで終わるかと思ったけど、
予想以上に虎杖くんに
あの猫が気に入られちゃったみたいだね」
これからどうしたものか、と考える自分とは裏腹に
伏黒はさっさとバラしちまえなどという。
それが出来たら苦労はしないのだが…
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結祈華(プロフ) - カノンさん» 好きと仰って下さりありがとうございます！嬉しすぎました！これからも頑張らせて頂きます。 (2023年1月27日 23時) (
レス) id: 074ff9457b (このIDを非表示/違反報告)
カノン(プロフ) - いえ！修正ありがとうございます！とっても好きなのでこれからも頑張ってください！ (2023年1月27日 17時) (レス) @page31 id: 3fc6711829 (このIDを非表示/違反報告)
結祈華(プロフ) - カノンさん» カノン様。そうですね…間違えておりました。9ページの方を訂正させて頂きます。コメント及びご指摘頂きましてありがとうございました。 (2023年1月27日 11時) (レス) id: 074ff9457b (このIDを非表示/違反報告)
カノン(プロフ) - コメント失礼します。アニメ第1話部分で亡くなったのは、おそらく虎杖悠仁の祖父だと思うのですが… (2023年1月27日 11時) (レス) @page30 id: 3fc6711829 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：結祈華
| 作成日時：2022年12月31日 20時
