84.呼び出し ページ34
・
「…オマエ、何照れてんだよ」
「ッ、や、やめてよ恵まで。
虎杖くんがあんな事言うなんて思わなかったし……
って、恵こそどうしたの?」
「別に…」
不機嫌そうに見える伏黒にAは首を傾げた。
伏黒は少しだけ…ほんの少しだけ、
虎杖に褒められて照れるAに対して
モヤつきが知らぬ間に出来ていた。
「つーか、本当にいいのかよ」
「何が?」
「虎杖に隠してるつもりか?同じ学校に入るんだ。
このままって訳にはいかないだろ」
関わる事がない分教える必要もないと考えていたが、
今はそうもいかなくなった。
同じ学校、これから先も関わる相手に
なってしまったとなると、隠し続けるのは難しい。
いずれバレるだろうし、
同じ任務など行く事になればそうもいかない。
「……あの子が猫に対して、
あんな顔して話すんだよ。恵も見てたでしょ?」
「……」
「それがきっと私だって知ったらガッカリするし、
今はまだこのままでいい」
_____私は、虎杖くんにとって 猫のままでいい
可愛いと言った、彼にとっての理想の…
綺麗な猫のままで良いとAは
伏黒の方を見ないで口にした。
そんな彼女の横顔は
何も思っていないように冷たく見えた。
「………もう1人の一年にもそのつもりか」
「あっ…それは…………考えてなかった」
どちらにせよ、猫のままでいるのは今のうちだけ。
いつかは話す日もくる。…けれど、正直な所
あの虎杖に知られたくないというのは本音でもあった。
善人すぎる彼が心配してくれるような…
私はそんな綺麗な化け物ではない。
・
翌日。今日は虎杖が高専に来る日。
あの後、五条と虎杖と別れた伏黒とAは
東京へ戻り、それぞれが高専内の寮で休息をとった。
今度こそ休めるとそう思ったAは
その日、昼頃まで寝ていた。
「_____おっ、ようやく起きたな」
身支度を整えて部屋の外に出た時、
目の前に真希が"寝坊助"と呟きながら仁王立ちしていた。
「真希先輩、おはようございます」
「おはようって時間じゃねーよ。もう昼だよ」
どうかしたのかと呑気に聞くAに
ため息を零しつつも真希は口を開く。
「…悟が呼んでこいっつーんだよ」
…ああ、やっぱりか。Aはため息をつく。
222人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
結祈華(プロフ) - カノンさん» 好きと仰って下さりありがとうございます!嬉しすぎました!これからも頑張らせて頂きます。 (2023年1月27日 23時) (レス) id: 074ff9457b (このIDを非表示/違反報告)
カノン(プロフ) - いえ!修正ありがとうございます!とっても好きなのでこれからも頑張ってください! (2023年1月27日 17時) (レス) @page31 id: 3fc6711829 (このIDを非表示/違反報告)
結祈華(プロフ) - カノンさん» カノン様。そうですね…間違えておりました。9ページの方を訂正させて頂きます。コメント及びご指摘頂きましてありがとうございました。 (2023年1月27日 11時) (レス) id: 074ff9457b (このIDを非表示/違反報告)
カノン(プロフ) - コメント失礼します。アニメ第1話部分で亡くなったのは、おそらく虎杖悠仁の祖父だと思うのですが… (2023年1月27日 11時) (レス) @page30 id: 3fc6711829 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:結祈華 | 作成日時:2022年12月31日 20時