71.祓う対象 ページ21
・
伏黒の声に虎杖は振り向き、
意味が分からないと声を漏らす。
Aは一瞬その言葉に自信も僅かに反応しかけた。
「呪術規定に基づき…
虎杖悠仁、オマエを_____呪いとして
・
冷たい風が吹き抜け、少しの静寂が訪れる。
緊迫する伏黒とAの一方で
虎杖は意味のわからないという顔をしていた。
「いやなんともねーって。
それより 俺も伏黒も、その人だって
ボロボロじゃん。はやく病院行こうぜ」
普通に話す彼の体から黒い模様が消えていく。
まるで、先程まで宿儺に体を
動かされていなかったように。何もなかったかのように
それは普通に、本当に普通すぎて。
「(今喋ってんのが呪物か虎杖かも
こっちは分かんねーんだよ……!!)」
体勢を崩さずまま、目の前の虎杖を悩むように
眉を顰める伏黒。
今目の前にいるのは呪物なのか虎杖なのか。
どちらにせよ、呪物を口にした彼は
祓う対象なのは変わりはない。…けれどどうしてか。
悩む以前に、どうして体が動かない。
「(クソッ!!どうしたらいい?)」
………これはただの、俺の……_____私情なんだ
タッタッ
パッ
伏黒の頬に風が横切った。
それは自然なものではなく、何か…
誰かが勢いよくそこを通ったが為に起きたもの。
そして、それは_____
「…恵。今、ここにいる彼は…虎杖くんだよ」
「……A」
___伏黒と虎杖、2人の間に立ったAだった
彼女は虎杖を庇うかのように両手を広げ、
伏黒に向かい合う。
そんなAに伏黒は目を大きく開けた。
「考えなくても、分かるはずだよ。
ここにいるのは、虎杖くん」
「………俺、アンタに名前教えたっけ?」
「……それがどうであれ、関係ない。
オマエにも分かるだろ、呪術師なら」
「分かる、分かるよ。でも…それでも私は!」
虎杖の声を無視し、言い合う2人。
Aの頭の中に蘇る過去の光景。
虎杖に助けられた、虎杖に微笑まれる光景が浮かぶ。
助けられた自分は、どうにも
彼を死なせたくないと考えてしまった。
そもそも、自分達の問題に巻き込まなければ
危険な目に遭う事もなかった。
この人は死ぬべき人間じゃない。
_____そう、これは……私の、ただの私情。
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結祈華(プロフ) - カノンさん» 好きと仰って下さりありがとうございます!嬉しすぎました!これからも頑張らせて頂きます。 (2023年1月27日 23時) (レス) id: 074ff9457b (このIDを非表示/違反報告)
カノン(プロフ) - いえ!修正ありがとうございます!とっても好きなのでこれからも頑張ってください! (2023年1月27日 17時) (レス) @page31 id: 3fc6711829 (このIDを非表示/違反報告)
結祈華(プロフ) - カノンさん» カノン様。そうですね…間違えておりました。9ページの方を訂正させて頂きます。コメント及びご指摘頂きましてありがとうございました。 (2023年1月27日 11時) (レス) id: 074ff9457b (このIDを非表示/違反報告)
カノン(プロフ) - コメント失礼します。アニメ第1話部分で亡くなったのは、おそらく虎杖悠仁の祖父だと思うのですが… (2023年1月27日 11時) (レス) @page30 id: 3fc6711829 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:結祈華 | 作成日時:2022年12月31日 20時