69.両面宿儺 ページ19
・
ｺﾞｸﾘ
虎杖の飲み込んだ音が、やけに酷く響いた気がした。
「(特級呪物だぞ!?猛毒だ!!確実に死ぬ!!
…だが、万が一。万が一……!!)」
「いた、どり、くん………_____ッ!!?」
焦りと頭に浮かんだ一つの嫌な予感に緊迫する伏黒。
虎杖の様子を確かめるために
名前を呼んだAだが、突然 様子が変化した。
呪いへ走り出していた彼女は
唐突に呪いとの距離をとった。
…いや、呪いというよりも虎杖との距離というべきか。
「(…なん、だろ、この感じ…
虎杖くんの中に、何か_____まさか！)」
ｸﾞﾁｬｯ
ﾊﾞｯ
次の瞬間、呪いの手に掴まれていた虎杖は
自力でその手を破壊して抜け出した。
更に、迫っていく呪いへ腕を一振りしただけで、
呪いは消えてしまう。
……虎杖が、呪いを祓った。
呪いから溢れる血を背景に虎杖の異変に気づく。
彼の顔や体には黒い線が浮かび上がっており、
手の爪はとてつもなく長い。
そして、顔の目の下に更に目がぱっちりと開いた。
「ケヒッ ヒヒッ…アハハハハハッ」
鳥肌も立つような気味の悪い笑い声、
それは虎杖であって彼ではない。全身に震えが走る。
「ああ やはり!!光は生で感じるに限るな！」
_____最悪だ、万が一の最悪が出た。
伏黒とAは目の前に立つ、もはや虎杖ではない男…
いや呪いへ目を向けて同じ事を思っていた。
呪いはそのまま虎杖の服を破き脱ぐ。
露わになった体には腕や顔と同じような
黒い模様が浮かび上がっている。
_____特級呪物が受肉した。
その呪い…指の持ち主である、名は両面宿儺。
「呪霊の肉などつまらん！人は！女はどこだ!!」
背後でバラバラに倒れる呪いなど気にせず、
宿儺はその場を歩き出すと高台からの街を見下ろした。
「いい時代になったのだな。
女も子供も 蛆のように湧いている。
素晴らしい、鏖殺だ!!」
高笑いを響かせている宿儺の目が
ジロリとこちらへ向いた。
その目が合えば更に緊張が走る。
呪術師か、と呟いた宿儺の目は
伏黒からAへと向いた瞬間に目を見開いた。
すると、楽しそうな笑みを浮かべた。
「…オマエ、混血の女だな。珍しい。
呪いと呪術師の血が混じってる」
呪いの王とも呼ばれる宿儺の目から見れば、
そんなのは一目瞭然なのか。
Aは眉を顰めて宿儺を深く睨んだ。
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結祈華(プロフ) - カノンさん» 好きと仰って下さりありがとうございます！嬉しすぎました！これからも頑張らせて頂きます。 (2023年1月27日 23時) (
レス) id: 074ff9457b (このIDを非表示/違反報告)
カノン(プロフ) - いえ！修正ありがとうございます！とっても好きなのでこれからも頑張ってください！ (2023年1月27日 17時) (レス) @page31 id: 3fc6711829 (このIDを非表示/違反報告)
結祈華(プロフ) - カノンさん» カノン様。そうですね…間違えておりました。9ページの方を訂正させて頂きます。コメント及びご指摘頂きましてありがとうございました。 (2023年1月27日 11時) (レス) id: 074ff9457b (このIDを非表示/違反報告)
カノン(プロフ) - コメント失礼します。アニメ第1話部分で亡くなったのは、おそらく虎杖悠仁の祖父だと思うのですが… (2023年1月27日 11時) (レス) @page30 id: 3fc6711829 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：結祈華
| 作成日時：2022年12月31日 20時
