【呪術廻戦】ねむって "た" ひめ。３ (ページ31)

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82.領域展開ページ31

～no side ～

ドンッ

ドドッ

　

虎杖「ざけんな!!」

虎杖は、その黒い球体を何度も殴る。

けれど、虎杖の拳から血が溢れるだけで

それを破れる気配すらない。

虎杖「(なんでナナミンだけ閉じ込められた!?

このままじゃ…このままじゃ!!)」

貴方「これが…領域展開…？」

呪力で構築した生得領域内で

必殺の術式を必中必殺へと昇華する、呪力の極致。

領域展開を初めて目の前で見たAは体が震えた。

中に閉じ込められてしまった七海を

早く領域内から出さなければ彼は…______

七海が領域展開出来なければ、尚更……

貴方「どう、すれば……」

透桜煙「…………A。

貴方も領域展開をすれば良い」

虎杖／貴方「「!!」」

突然透桜煙が口にした発言に

虎杖の手も思わず止まった。

虎杖「………A お前…領域展開出来んの!!?」

貴方「え!!?し、知らない…

そんなの、やったことない…」

透桜煙「Aなら出来るわよ。

Aなら、私の領域を使える」

貴方「！」

透桜「本来、相手の領域内で領域展開を起こせば

より呪力の強い領域に塗り替えられる。

でも、領域外で領域展開をすれば

領域の外側同士がぶつかって、領域は脆くなり

虎杖悠仁の拳でも簡単に破ることが出来る

……そもそも、相手を閉じ込めることに

特化した結界だから、

内側が強くても外側は弱い…」

虎杖「ナナミンを、助けられる…」

出来るかどうかじゃない、

"今やらなければいけないこと"……

やらないと、救える命が救えない。

頭では分かっていても、

Aの中は不安が渦巻いていた。

虎杖「A」

恐る恐る虎杖の方を向いてみると

虎杖は真っ直ぐにAを見つめていた。

虎杖「頼む、A」

貴方「……」

透桜煙「出来る、Aなら」

貴方「…………！」

その瞬間、Aの中に

いろんな情報が流れ込んできた。

領域展開なんて、

やり方も知らないしやったこともない。

それでも、やり方がわかるような気がした。

これは、透桜煙の情報だ______

貴方「…………私は、やる」

Aは真っ直ぐに目の前の球体に近づいた。

一回、深呼吸をして目を開ける。