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貴方「悠仁!!」









遠くに見えた光景に、

Aも下に飛び降りようとする。




降りれるかどうか?………そんなの関係ない。




選択肢なんてなくて、いち早く降りるためには

ここから飛び降りるしかない。




怖いなんて思わなかった。




だって目の前に、助けたい人がいたのだから_____




Aは躊躇いもなく、

穴の開いた壁から飛び降りようとした その時___









 









 









 









 









「_________…じ」








貴方「…………え」









小さな、震えた声が 微かに横から聞こえた。




思わず足の動きを止めてしまい、

Aは、横へ チラリと顔を向けた。




横に向けた視線を少し下に落とすと、

そこには "人ではない生き物"が倒れていた。




______人ではない、生き物……









「ゆ…うじ…」




貴方「……」









その生き物へと、思わず足を動かしていた。




けれど、生き物が発した言葉に

ピタリと足は止まった。









……ゆうじ…………悠仁


私が知っている悠仁は1人しかいない…









何となく、虎杖のことを言っているのだと

そう思った。









透桜煙「……こいつは、元"人"ね」




貴方「!」




透桜煙「もう、死ぬわ………」









"人"。




透桜煙の言葉は、スッと

Aの中に違和感もなく入っていった。




どうしてこうなったのかもわからないし、

虎杖とどんな関係なのかもわからない。




何もわからないけど…______









貴方「そっ、か………」




「ゆ…う、じ………」









涙を流す、その生き物。









貴方「……せめて、私の桜で送ってあげる」









Aは両手を祈るように合わせ、目を閉じる。




すると、Aの周りからフワッと花弁が舞い、

その花弁はグルグルと生き物を取り囲む。

・→←78."元"人



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作者名:結祈華 | 作成日時:2021年1月6日 0時

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