歪んだ愛が優しいわけない ページ22
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(ホークスside)
腹を満たした俺たちは、店を出た後適当に歩いていた。
「結構美味しかったですね」
「そうだね。初めて行ったけどお店の人も気さくで良かったし」
急遽選んだ店だったとはいえ、なかなかいい店だった。
今度はちゃんと事前に予約してもっと美味い店連れてこ。
「本当に私払わなくてよかったの?」
「もちろん!俺から誘いましたし。ていうか俺Aさんに一銭も出させる気ないですから!」
「私の方が先輩なのに」
「養うって約束しましたし」
Aさんは少し黙った後、「ご馳走様でした」とだけ言った。
「もう帰ります?送りますよ」
「あー…いや、いいよ。タクミの店にでも寄ろうと思ってたし」
少し違和感を感じた最初の返事。
「…明日仕事じゃないんです?」
「んー、休もっかな」
「連休ずっる」
いいでしょ、と笑うAさん。
すると突然電話が鳴り、Aさんがスマホを取って画面を見た瞬間表情が曇った。
「…出ないんですか?」
いつまで経っても出ない様子のAさんに、誰からだろうと画面を覗けばバッと隠された。
…は?
「なんで隠したんですか」
「いや…別に」
見間違いでなければ、男の名前だったと思う。
焦ったように、見られたくないように後ろに隠されたスマホの着信音がしつこく鳴り響く。
段々と苛立ちを感じ始め、Aさんに迫った。
「男ですか」
「……」
黙られる。否定しないってことは、そうなんだ。
さっきの返事といい、もしかして、と頭の中に浮かんだ。
「家に誰かいます?」
「ッ」
Aさんの瞳が揺れた。
あーそう、そゆこと
強引に手を引き人気のない道に入り込む。
自販機の裏の見えないところでAさんを少し乱暴に壁に押し付け、グイと暴いた鎖骨をきつめに噛んだ。
「ぃ…ッ!」
「俺言いましたよね」
ぷくりと血が滲み出始めている。
ぺろりと舐めとれば、ビクッと肩が揺れた。
「他の男んとこだけは行かんでって」
「ちが、行ってない…!」
「じゃあなんで家に男いんの」
「それは、ッ?!」
ガコンと自販機の音が響く。
驚いたその隙に、Aさんの耳に齧り付いた。
「あッ、ン…ッ」
「そうそう、我慢しないと聞こえちゃいますね。Aさん声大きいから」
唇をぎゅっと閉じ俺を見るAさんを、嘲笑うように見下ろした。
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sana*(プロフ) - ひなさん» ひなさんありがとうございます😭💖新しい作品あげるなり未完作品更新するなりしたいのですが中々纏まらず🥺また活動再開できるよう日々妄想しながら頑張ります😭🙏 (1月7日 15時) (レス) id: 25a11890bc (このIDを非表示/違反報告)
ひな - 1番好き。何度も何度も読み返してる。 (1月3日 23時) (レス) @page50 id: 2495f1671d (このIDを非表示/違反報告)
sana*(プロフ) - ちゃこさん» 初めまして!コメントありがとうございます😳やったぁあホークス推しが増えました!☺️年下ハンパないですよねぇ🤤楽しんでいただけてよかったです!ありがとうございました!😂💖 (2022年6月18日 15時) (レス) id: 35c21c90ed (このIDを非表示/違反報告)
ちゃこ(プロフ) - 初めまして!ホークス…実はそこまで関心無かったのですが、コレはいかん…このホークスは!やばい😭‼️💕💕年下の破壊力…ま〜幸せ貰いました🙏面白かったです‼️推します😂‼️💕 (2022年6月18日 15時) (レス) @page50 id: e4e61dc8c5 (このIDを非表示/違反報告)
sana*(プロフ) - 叶花さん» 嬉しいコメントありがとうございます!😳💖私も初登場から心奪われました😂たくさん読んでいただきありがとうございます!朝チュン好評でしたので続編書きたいなとは思っています!笑 先になるかもしれませんが是非また読んでくださいね😊 (2021年11月29日 2時) (レス) id: 35c21c90ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:sana* | 作成日時:2021年8月30日 17時