三十九話。 ページ41
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「俺、遠井さんの事がー…!」
強く握られた手を、あかねちゃんが見つめる。
その表情は…なんとなく嬉しそうに見えるような…見えないような。
「好きやねん!」
おおっ!
言ったね!
まあここからが重要よね。
あかねちゃんの答え。
「…うん、知ってるけど」
「え」
あ…?
知ってる…?……という事はどういう事でしょうか?
「だってジェル、あんたいつも言ってくるじゃない…今更どうしたのよ」
「…えっ…とー」
いっつも言ってんの!?
そうだけど…今回は特別だって、本気だって言いなさいよ。
「…せやけど、今回は本気。遠井さんの事、本気で好き」
ジェルくんの瞳が真っ直ぐあかねちゃんを見た。
いいじゃん!その調子よ!
あかねちゃんの頬もなんとなく赤くなってるんじゃない?
「で、遠井さんは俺の事、どう思っとるんかなって…」
ジェルくんが戸惑うように声を小さくしていった。
あ…これ上手くいったら付き合うとかそういう系かな?
…いいなあー。
私も人間のうちに素直になれてたら良かったんだけど。
「ジェルは…空気読めないし、頭おかしいし、意味分かんない事ばっかしてるし…」
「遠井さん、それは辛辣やで…」
Oh…。
辛口だな相変わらず。
「……でも、世界一私を笑わせられる奴だと思う!」
え!
ええええ!
何このいい雰囲気!
もしかしてOKなんですかねえ?
「…遠井さん…じゃあ俺と…」
「だからといって!いきなり付き合うとかは嫌だ。
あんた意味わかんない事してきそうだし」
あー…まぁまぁまぁまぁ。
フラれてはないじゃん!大丈夫!
…知らんけど。
「…はー。まあそうだだよな…」
ジェルくんがあかねちゃんの手を離して後ろに倒れこむ。
そして、もう一度ため息をついた。
「……ま、俺は最強のエンターテイナーだから、
これからも遠井さんに笑いの花を咲かせるぜ!」
「笑いの花は良いけど、意味不明な行動はやめろよ」
仲いいわね、相変わらず。
でもこれでこそジェルくんとあかねちゃんだよね。
すると、玄関の扉が開いた。
「おめでとー!!!!」
玄関からさとみくんところんが出てきた。
しかしこれはめでたいのか…?
「聞いてや!遠井さん、俺の事世界一笑わせてくれる奴だと思ってるって!大好きやて!!」
「マジィ?リア充じゃん!」
「大好きとは言ってない」
四人での言い合いはまだ収まらないらしい。
楽しそうで何よりだけど。
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影の黒鷺 - 絵宙(えそら)さん» ユーザー認証…私が見るときには出てこないんですけど…どうなんでしょう。こちら側としては設定していないので、運営さんのバグですかね…。運営さん…(´;ω;`) (2020年5月26日 16時) (レス) id: 4d7a8fb4ac (このIDを非表示/違反報告)
絵宙(えそら) - ユーザー認証が必ず出てくるんですが私だけですか…?(´ ; ω ; `) (2020年5月26日 10時) (レス) id: 63faa5bcfc (このIDを非表示/違反報告)
ゆら(プロフ) - 影の黒鷺さん» 私の小説も読んでくださってたんですね!とても嬉しいです泣 これからもお互いがんばりましょーね! (2020年4月11日 14時) (レス) id: 7e1be6dd9a (このIDを非表示/違反報告)
影の黒鷺 - ゆらさん» そんな風に言っていただいて本当に感謝しかないです…!私もゆらさんの小説が大好きでいつも見させていただいております。応援ありがとうございます、励みになります(*´ω`*) (2020年4月10日 22時) (レス) id: 4d7a8fb4ac (このIDを非表示/違反報告)
ゆら(プロフ) - 黒鷲さんの作る小説って、キャラ設定がしっかりしているうえに、それがブレちゃわないところがすごいと思います。。。夢主ちゃんのツンデレな性格がとても可愛いんだけど、さとみくんと気持ちがすれ違っちゃうともどかしくなっちゃいますねwこれからも応援してます!! (2020年4月10日 21時) (レス) id: 7e1be6dd9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:影の黒鷺 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kagenokurosagi/
作成日時:2020年4月3日 15時