三十四話。 ページ36
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「そういう莉犬こそどうなんですかー?」
るぅちゃんか莉犬の右頬をつつきながらそう言った。
すると、莉犬の頬がみるみるうちに赤くなる。
おお!
心に決めたお相手が…!?いたりしちゃうんですか!へええ〜。
「おっ俺はいないよ…そんな相手ー!」
必死になって両手を振っている。
これは意中の相手がいるんですかね、恋愛マスターさとみさん。
私が楽しみながら四人を見ていると、あかねちゃんが口を開いた。
「莉犬くんは真面目だからそんな相手いないわよね」
「…え…あ…う、うん……」
莉犬が困ったような顔で下を向いた。
そんなこと言われたら言えなくなっちゃうわよね…。
あかねちゃんぶった切ったな。
「遠井さん、莉犬は意外と肉食だから…好きな奴の一人や二人ぐらいいるって」
「…さとちゃん」
さとみくんが笑顔でそう言って、涙目の莉犬がそう呟いた。
誰か言ってみなよ。
優しーく聞いてあげるからさ?ね?
「……も…ち…」
「は?」
莉犬の小さな声にあかねちゃんが口を開く。
なんて言ってんのよ、聞こえないっつの。
「…もも…ちゃん……」
「もっ、ももちゃん?」
ももちゃんって…望月ももちゃんの事よね。
望月ももちゃんは私とあかねちゃんともよく喋っていた友人だ。
まあ確かに可愛い子ではあるけど…。
性格は…よく言うと元気な良い子で悪く言うとちょっとヤバい子なんだよね…。
……いや、やっぱ何でもない。
「ももちゃん…かー」
「ももちゃんって望月さんのことですか?」
あかねちゃんが頬杖を突きながら莉犬を見た。
それにるぅちゃんが声をかける。
ていうか確か…ももちゃんってなんか別に好きな人いなかったかしら?
誰だっけ…おた……。
忘れちゃった。
「莉犬が望月ってなんか意外だな」
さとみくんがニヤニヤしながら莉犬を見つめる。
確かに意外かも。
「…だ、だって可愛いじゃん!」
莉犬が頬を膨らませる。
……ちょっと、可愛いかも。
いや…るぅちゃんほどじゃないけど。
莉犬も…可愛い…わね。
「ももちゃんってさ、元気だし良い子だし好きになっちゃうよー!」
「でもももちゃんって確か尾宅くんが好きなんじゃなかったっけ?」
「……え?」
莉犬とあかねちゃんの会話が…やばい。
言っちゃうんだ…あかねちゃん…。
それから莉犬がだいぶしょんぼりしていたわ。
大丈夫だって、上手くいくんじゃないの?
知らないけど。
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影の黒鷺 - 絵宙(えそら)さん» ユーザー認証…私が見るときには出てこないんですけど…どうなんでしょう。こちら側としては設定していないので、運営さんのバグですかね…。運営さん…(´;ω;`) (2020年5月26日 16時) (レス) id: 4d7a8fb4ac (このIDを非表示/違反報告)
絵宙(えそら) - ユーザー認証が必ず出てくるんですが私だけですか…?(´ ; ω ; `) (2020年5月26日 10時) (レス) id: 63faa5bcfc (このIDを非表示/違反報告)
ゆら(プロフ) - 影の黒鷺さん» 私の小説も読んでくださってたんですね!とても嬉しいです泣 これからもお互いがんばりましょーね! (2020年4月11日 14時) (レス) id: 7e1be6dd9a (このIDを非表示/違反報告)
影の黒鷺 - ゆらさん» そんな風に言っていただいて本当に感謝しかないです…!私もゆらさんの小説が大好きでいつも見させていただいております。応援ありがとうございます、励みになります(*´ω`*) (2020年4月10日 22時) (レス) id: 4d7a8fb4ac (このIDを非表示/違反報告)
ゆら(プロフ) - 黒鷲さんの作る小説って、キャラ設定がしっかりしているうえに、それがブレちゃわないところがすごいと思います。。。夢主ちゃんのツンデレな性格がとても可愛いんだけど、さとみくんと気持ちがすれ違っちゃうともどかしくなっちゃいますねwこれからも応援してます!! (2020年4月10日 21時) (レス) id: 7e1be6dd9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:影の黒鷺 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kagenokurosagi/
作成日時:2020年4月3日 15時