三十二話。 ページ34
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「しないの?」
すこし間を開けて、あかねちゃんが口を開いた。
ていうか関係ないけど、その紅茶めっちゃいい匂い。
「なっ…なにをですか?」
「告白。早くしないといけないんでしょ?今からでも告ってきなさいよ」
るぅちゃんが驚いたような声に、あかねちゃんが答える。
そうよ!
相手の気持ちは聞いてみないとわからないし、
るぅちゃんの気持ちだって言わないと伝わらないのよ!
…って私もさとみくんに告白できてないから、人の事言えないんだけど。
でもそれで後悔してるから、告白はした方が良いわよ。
「え、あ…」
「ちょっと待ってよ。るぅちゃんが言うには、好きな子には何回か会っただけなんだよね?
じゃあ、もうちょっと仲良くなってから告白した方がいいんじゃない?」
るぅちゃんの戸惑った声に重ねるように莉犬くんがそう言った。
確かになー…。
でも取られちゃうんだから、早く言った方が良いじゃない?
私がさとみくんの方を見ると、彼は会話を聞きながらどこかを見ていた。
恋愛マスター…、どうにかしてくださいよ。
「……あのー、皆さん、何の話をしているんですか?」
るぅちゃんが戸惑うように片手をあげた。
は?なんの事ってあんたの恋愛の話だけど?
「え?何がって…るぅとくんの好きな子の話じゃないの?」
「うん…で、告白は後の方が良いよーって…」
あかねちゃんと莉犬が視線を合わせる。
私も今、何が何だか訳が分からないわ。
「僕が言っていたのは、猫ちゃんの話ですよ?」
るぅちゃんがこくんと首をかしげてそう言った。
……は?
猫?え…可愛くていい子で一緒に居たくなる女の子の話じゃないの?
あかねちゃんと莉犬も言葉をなくしたようにるぅちゃんを見ていた。
「…さとみくんと一緒にペットショップに行った時にいた猫ちゃんを飼いたいって…」
え…?
じゃあ一目ぼれしたのはペットショップの猫?
「…あれからも個人的に会いに行ってたんだけど、やっぱり可愛いし傍にいたいなって」
「あの時、言ってたもんなー、るぅと」
どうやらさとみくんは初めから猫だと気づいていたらしい…。
なんということだ…さすが恋愛マスター。
「あの白猫だろ?可愛かったもんなー」
「…そうなんですけど、お母さんが得意じゃないみたいで…」
そっかー…。
仕方ないけど飼いたいよね…。
私は複雑な気持ちでるぅちゃんを見た。
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✓昨日更新サボりましたすみません…
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影の黒鷺 - 絵宙(えそら)さん» ユーザー認証…私が見るときには出てこないんですけど…どうなんでしょう。こちら側としては設定していないので、運営さんのバグですかね…。運営さん…(´;ω;`) (2020年5月26日 16時) (レス) id: 4d7a8fb4ac (このIDを非表示/違反報告)
絵宙(えそら) - ユーザー認証が必ず出てくるんですが私だけですか…?(´ ; ω ; `) (2020年5月26日 10時) (レス) id: 63faa5bcfc (このIDを非表示/違反報告)
ゆら(プロフ) - 影の黒鷺さん» 私の小説も読んでくださってたんですね!とても嬉しいです泣 これからもお互いがんばりましょーね! (2020年4月11日 14時) (レス) id: 7e1be6dd9a (このIDを非表示/違反報告)
影の黒鷺 - ゆらさん» そんな風に言っていただいて本当に感謝しかないです…!私もゆらさんの小説が大好きでいつも見させていただいております。応援ありがとうございます、励みになります(*´ω`*) (2020年4月10日 22時) (レス) id: 4d7a8fb4ac (このIDを非表示/違反報告)
ゆら(プロフ) - 黒鷲さんの作る小説って、キャラ設定がしっかりしているうえに、それがブレちゃわないところがすごいと思います。。。夢主ちゃんのツンデレな性格がとても可愛いんだけど、さとみくんと気持ちがすれ違っちゃうともどかしくなっちゃいますねwこれからも応援してます!! (2020年4月10日 21時) (レス) id: 7e1be6dd9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:影の黒鷺 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kagenokurosagi/
作成日時:2020年4月3日 15時