二十八話。 ページ30
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「じゃ、今日はそろそろお開きで。ばいばーい」
「じゃーなー」
私が寝室のベットの上で丸まっていると、玄関の方からそんな声が聞こえた。
今…十一時過ぎか…。
どんだけ喋ってんだよ。
「はー、疲れたー」
私がそんなことを考えているとさとみくんが寝室に入ってきた。
ひなさん達は今日、リビングで寝るのかしら。
じゃあ二人きりかー…ふーん。
別に慣れてるから恥ずかしくなんてないけどね。
私がもう一度丸くなると、その隣にさとみくんが寝っ転がった。
「Aはさ…キス、したことある?」
さとみくんが私の右頬辺りを撫でながらそう言った。
キスなんてしたことないわよ!
前世でもしたことないって、こう見えても意外と男子苦手なんだから!
「したことないかー…じゃあ……」
さとみくんが私の方を見る。
目が半開きになってますけど、寝ぼけてます?
私がそう思いながらさとみくんを眺めていると…
ちゅっ
私の頬にさとみくんの唇が触れた。
…えっ?
驚きすぎてリアクションが追い付かない。
んっ…?今何が起こったんですか!?えっ?
「……Aの初めては俺だね」
さとみくんはそう言ってへにゃっと笑った。
ずっきゅん。
なんだろうこれ…え!?
なにこの可愛すぎる高校生男子!!
初めては俺だねってなに!?
ひゃああああああーーー。
私が目を白黒させながらさとみくんを見上げると、
さとみくんはペタッと倒れこんだ。
あ…寝た?
嘘でしょ…人の初キス奪っといてなによ!…その態度は!?
人って言うか猫…?
いや、人よ!なによ、いきなり!
ふふ普通もっといい雰囲気でするでしょ!?いや、でも雰囲気は悪くなかった…?
いや…でも!!
……なんでこんなに悩んでるんだろう…。
相手は暢気に寝てるのに…。
こっちは心臓が鳴りやまないって言うのにさぁぁ!!
もう知らないわよ!
私はふんっとさとみくんから顔をそらす。
でも心臓のドキドキは止まらなくて、いろいろとヤバかった。
……人間だったら、もっと良かったのかしら…。
私はそんなことを考えていたら、すーっと眠ってしまった。
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影の黒鷺 - 絵宙(えそら)さん» ユーザー認証…私が見るときには出てこないんですけど…どうなんでしょう。こちら側としては設定していないので、運営さんのバグですかね…。運営さん…(´;ω;`) (2020年5月26日 16時) (レス) id: 4d7a8fb4ac (このIDを非表示/違反報告)
絵宙(えそら) - ユーザー認証が必ず出てくるんですが私だけですか…?(´ ; ω ; `) (2020年5月26日 10時) (レス) id: 63faa5bcfc (このIDを非表示/違反報告)
ゆら(プロフ) - 影の黒鷺さん» 私の小説も読んでくださってたんですね!とても嬉しいです泣 これからもお互いがんばりましょーね! (2020年4月11日 14時) (レス) id: 7e1be6dd9a (このIDを非表示/違反報告)
影の黒鷺 - ゆらさん» そんな風に言っていただいて本当に感謝しかないです…!私もゆらさんの小説が大好きでいつも見させていただいております。応援ありがとうございます、励みになります(*´ω`*) (2020年4月10日 22時) (レス) id: 4d7a8fb4ac (このIDを非表示/違反報告)
ゆら(プロフ) - 黒鷲さんの作る小説って、キャラ設定がしっかりしているうえに、それがブレちゃわないところがすごいと思います。。。夢主ちゃんのツンデレな性格がとても可愛いんだけど、さとみくんと気持ちがすれ違っちゃうともどかしくなっちゃいますねwこれからも応援してます!! (2020年4月10日 21時) (レス) id: 7e1be6dd9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:影の黒鷺 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kagenokurosagi/
作成日時:2020年4月3日 15時