厄災三十と三 ページ38
「ふむ……ならば、俺達もその"浮気"にいれてはくれないか?」
盈月と加州の言葉を聞いても尚、嬉しいのだろう…。
虧月を抱き締める小狐丸とそれを眺める盈月と
加州へ割って入るように呑気な声が掛けられる。
そちらへ皆が顔を向ければ、袖で口元を隠した
三日月宗近を筆頭に三条の刀が此方を見つめて
いた……。
「三条……」
「何、今剣を連れてきたばかりか、あの小狐丸を懐柔させた新しい主が興味深くてな……。何も変わりのしない日々を過ごすなら、新しい主といたほうが面白そうだ」
警戒するように加州が見据える先で、品定めす
るように細めた目が虧月を捉える。
きょとりとそれを虧月が見つめ返すと、興味深
いとばかりに三日月が微笑んだ。
「無関心でも他人事でもあるような……それでいて、欲しい言葉を当たり前のようにくれる……何処までも無邪気で何処か歪……それも、禍ツ神と来た……。私もとても君に興味がある」
神刀の静かな瞳が虧月を見据える。
「元より、裏表のない言葉、小さきながらに大きな器を持った新しい審神者には興味があったからな。側で見させてもらいたい」
大きく豪快な薙刀がにかりと笑って小さな虧月
を見下ろす。
「お前も、主に言いたいことがあるのだろう?」
次はお前だと言わんばかりに、薙刀の彼に隠れ
るようにして後ろで着物を掴んでいた小さな刀
に薙刀が話を振る。
後押しをするように優しく背中を押された小さ
な刀は俯きながら口を開いた。
「……あんなことがあったあとですが……あなたをもうすこし……ちかくで"みさだめて"みたいです……」
俯きながらも自分の言葉を口にした短刀によく
やったとばかりに薙刀が頭を撫でる。
それらを見届けた三日月の刀が改めて虧月を見
据えた。
「と、言う訳だ……我ら三条も仲間に入れてはくれないか?」
三日月の彼の言葉に皆の視線が虧月へと向かう。
……虧月がどうするのか……。
言葉を待ちながらも、当に答えなど決まっている……。
皆の視線を一身に浴びながら、虧月は満面の笑
みで頷いた……。
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不思議の国の有栖さん(プロフ) - 最高です (2021年1月15日 23時) (レス) id: 1031f2154f (このIDを非表示/違反報告)
紫羅那@龍蓮(プロフ) - 更新頑張ってください!めっちゃ好きです! (2020年3月11日 17時) (レス) id: 52a85e5aa6 (このIDを非表示/違反報告)
朔櫻 実桜(プロフ) - 羅維さん» 応援の御言葉ありがとうございます!!楽しみだと言っていただけて嬉しいです!最近中々更新ができませんが、なるべく早く更新できるように頑張ります! (2019年5月14日 16時) (レス) id: b4a1ce9c3e (このIDを非表示/違反報告)
朔櫻 実桜(プロフ) - 闇夜さん» ありがとうございます!!重症待機とは……!早く手入れという名の更新をせねばですね!(笑) 好きだと言っていただけて嬉しいです!更新頑張ります (2019年5月14日 16時) (レス) id: b4a1ce9c3e (このIDを非表示/違反報告)
羅維(プロフ) - 続き、スゴく楽しみです!応援してます! (2019年5月4日 12時) (レス) id: 11865369a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朔櫻 実桜 | 作成日時:2019年3月25日 17時