生け贄の話 ページ2
『何てことがあったよねー』
「そうっすね」
廃れた神社で、10にも満たない幼い少年と青年
が黄ばんだ冊子を手に談笑する。
……もう何年経つのだろうか……。
少なくとも千は優に越える程昔に書いたそれに
青年の膝に乗った少年は懐かしいと無邪気に笑
った。
『あのあと村はどうなったんだっけ？』
「結局"神のいない社"に願ったところで叶わねーんで、初めっからあんなの無駄だったんですよ。しかも、そのせいで禍ツ神作っちまって、今度は逆に雨降りすぎて土砂に埋もれちまったじゃねーですか」
『あれ？僕のせい？』
可愛らしく首を傾げる少年に、青年が呆れたよ
うにため息を吐き出す。
「いや、あれは主は寧ろ被害者なんで、あれは村全体の自業自得ってやつっすよ……無垢な子供を村総出でばか騒ぎして生け贄に捧げたんすから、雨を止めてくれなんて願いに来たとこで知らねーって話しですよ」
『そっかぁ……えーげつが言うなら、そうなんだね』
青年の説明に少年は青年へ背中を預けると他人
事のようにケラケラと笑った。
実際、少年にとって村がどうなっていようとも
どうでも良いのだろう……。
終いには手遊びを始めた少年に青年は笑みを溢
すと、その頭に手を乗せて優しく撫でてやる。
優しいその手と木漏れ日から差す柔らかな日差
しに包まれて、少年は気持ち良さそうに目を細
めた。
「お休みのところ、失礼致します。貴方様が禍ツ神様でしょうか？」
……その何気ない日常に突如入り込む男の声……。
"この姿"になってからというものの、両手で数
えられる程しか掛けられることのなかった人間
の声に二人がそちらを見れば、足元に面妖な狐
を連れた黒いスーツの男が佇んでいた＿＿。
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不思議の国の有栖さん(プロフ) - 最高です (2021年1月15日 23時) (
レス) id: 1031f2154f (このIDを非表示/違反報告)
紫羅那@龍蓮(プロフ) - 更新頑張ってください！めっちゃ好きです！ (2020年3月11日 17時) (レス) id: 52a85e5aa6 (このIDを非表示/違反報告)
朔櫻 実桜(プロフ) - 羅維さん» 応援の御言葉ありがとうございます！！楽しみだと言っていただけて嬉しいです！最近中々更新ができませんが、なるべく早く更新できるように頑張ります！ (2019年5月14日 16時) (レス) id: b4a1ce9c3e (このIDを非表示/違反報告)
朔櫻 実桜(プロフ) - 闇夜さん» ありがとうございます！！重症待機とは……！早く手入れという名の更新をせねばですね！(笑) 好きだと言っていただけて嬉しいです！更新頑張ります (2019年5月14日 16時) (レス) id: b4a1ce9c3e (このIDを非表示/違反報告)
羅維(プロフ) - 続き、スゴく楽しみです！応援してます！ (2019年5月4日 12時) (レス) id: 11865369a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朔櫻 実桜 | 作成日時：2019年3月25日 17時
