手は届かないはずだった【まふまふ】

episode17 side you ページ18

今までずっと憧れてきた
人気になる前から好きで、気づいたら生活のなかにいて、あなたの歌を聴くだけで幸せだった

こんな幸せを与えられる人になりたいって思ってて
手の届かないところにいたまふくんに会いたかった
＿＿ずっと、今まで


こんな想い抱いてて、それで急に目の前に現れたら
気持ち、抑えきれないじゃん
手の届くところにまふくんがいて、話しかけてもらえて



＿＿そんなのさぁ、もう、ダメだよ


今まで“憧れ”の好きだと思ってたのに、初めて会って 視線が絡まって 体中が熱を帯びる

気持ちが、溢れて零れそうになって

“好き”が憧れなんかじゃないっていうことを証明していた




『仕事相手との恋はためだよ』

この“好き”を憧れの“好き”に変えなきゃ

そうしたら誰にも、迷惑かけないから





心の中に小さな部屋を作って
その中に恋してる私を閉じ込める

『＿＿＿やめてっ、ここから出して』


何重にも鍵をかけて
絶対にでてこれないように

『＿＿＿ホントはそんなことしたくないでしょう？』


「うるさい...うるさいっ」



いつのまにか荒くなっていた息を沈める





「＿＿バイバイ」

まふくんに恋している私はもう、消した

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