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懺悔 ページ12

「Aさん!!!」
谷崎が手を放しAを抱きしめようとした瞬間、同じように手を放しAにまるでタックルでもかます様に抱き着いたのはナオミだった。
「Aさん、ごめんなさい」
ナオミは今にも泣きそうな声を発しながらAに抱き着いている
「ナオミちゃん?どうしたの?」
Aは自分のお腹にしがみつくナオミの濡れ羽色の髪を優しく慰めるように撫でた。
「私、私、Aさんとお兄様が付き合い始めてお兄様を取られたような気持になってついAさんに冷たく当たってしまっていたんです」
「それなのにAさんはそんな私にもいつも通り優しく接してくれて自分の体を犠牲にしてまで私を助けて下さった」
「こんな私を赦して下さった。それなのに私は身勝手な想いで今までAさんを突き放していた
Aさんに勝手に嫉妬して……ごめんなさい。本当にごめんなさい」
涙を滲ませながら必死に言葉を紡ぐナオミをAは静かに見守っていた。
唯髪を撫でる手を休めることなく。
「ナオミちゃん。泣かないで。私は怒ってなんか居ないから」
「嘘ですわ!そんな……私はこんな酷いことを致したのに……」
「確かに最近ナオミちゃんに突き放されたような態度を取られて寂しいって思ったことは何度もあるよ。
でもね、それは仕方のないことだよ。大切な人を取られたら誰だって嫉妬ぐらいしちゃうよ。
私だっていつも楽しそうに谷崎君と話すナオミちゃんに嫉妬してばっかりだし。お互い様だよ」
「こんな私を赦してくださるの?」
「許すも何もさっきも言ったけど私は怒ってないから」
「Aさんっ」
「よしよし泣かない泣かない」
Aの彼氏でありはずの谷崎は抱き合う二人の光景を複雑な表情で眺めていた。

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クコ(プロフ) - ルイさん» コメント返信遅くなってしまいすみません。そう言ったことは読者様のご想像にお任せします。 (2018年10月9日 20時) (レス) id: c68ef9c665 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ - 立原さんは死んだんですか? (2018年9月14日 18時) (レス) id: 63736b3e41 (このIDを非表示/違反報告)
クコ(プロフ) - 桜木 茜さん» コメントありがとうございます!!そんな風に言ってくださると物書き冥利に尽きます! (2018年4月20日 3時) (レス) id: c68ef9c665 (このIDを非表示/違反報告)
桜木 茜(プロフ) - 今日最後まで読ませていただきました。涙がドバドバ止まりません、すごく良かったでふ! (2018年4月18日 20時) (レス) id: 276600753d (このIDを非表示/違反報告)
クコ(プロフ) - 雪のさん» 最後まで読んでいただいて、さらにコメントまで下さってありがとうございます!!嬉しい限りです!これからも頑張っていきます! (2018年2月18日 23時) (レス) id: 336d684e71 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:クコ | 作成日時:2018年1月11日 3時

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