どこかで 13 ページ15
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上手く伝わるように。
丁寧に、ゆっくり、自分の気持ちと今までのことを整理するように話した。
そらるさんとまふくんは、私の話 ひとつひとつに うんうんって頷いてくれて。
こうやって ちゃんと話を聞いてくれる人が近くにいるのは、どれぐらいぶりだろう。
先生だって、表面的には 何かあったら言ってね、なんて言うくせに。話そうとしたら、仕事がどーだの 用事があるだので聞いてくれない人ばかりで。
まぁ、一つの理由は花咲の親が高校にめっちゃ寄付金を入れてるからなんだろうけど。私立高校は、お金で大概のものが作られているのだ。
どれだけ一般生徒が困っていようが、
寄付金を入れてくれる親を持っている生徒の方が優遇されるのは当たり前なのである。
でも、この歌い手の世界は、この二人は。
違ったのだ。お金なんかじゃなくて、純粋な善意で、私を助けてくれた。
話を終えた頃には私の頬には涙が伝っていて、目には沢山の涙が溜まっていた。
そらるさんとまふくんは、優しく微笑んで話してくれてありがとう、と。その優しさに更に涙が溢れた。
｢ ははっ、こんな泣くほどじゃないのに…
もっと辛い人なんていっぱい居ますよね ｣
｢ 辛さって誰かと比べるもんじゃないよ
他の人の方が辛いからって我慢してたら、Aが壊れちゃうでしょ ｣
｢ そうですよ。辛いことって一人じゃ抱えてると 倍辛くなるんですよ。
Aちゃんは頑張った。もう僕らに頼って少しぐらい楽になっていいんです ｣
｢ そらるさっ…まふまふさん… ｣
｢ 今はたくさん泣いてください ｣
｢ 無理に大人になろうとしなくていいよ。まだまだAは大人に頼ってていいの ｣
二人の言葉は私を強く、強くしてくれる。
頼っていいんだ、甘えていいんだ、
この2人になら、そんなことも許されるんだと。
安心して とても落ち着いた。
家にも学校にも行きたくない。
ずっと此処で優しさに触れていたいと思う程に。
｢ そうだ、A。さっき壊されたって言ってた お母さんが作ったキーホルダー見せて？ ｣
｢ は、はい… ｣
やっと泣き止んだ時に、そらるさんがそう言う。声は出会った時よりもっと優しく、気を使ってくれてるのかなと 少し申し訳なくなる。
まぁ、散々泣いた後だし仕方ないか…
｢ これ、です ｣
｢ そっか、ちょっと貸しててね ｣
そらるさんのその言葉に 私は首を傾げたい気持ちを抑えつつ素直に頷いた。
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零生(プロフ) - 緋月さん» コメントありがとうございます。私の作品の一言で、少しでも元気が出たのなら何よりです！ (2018年3月18日 18時) (
レス) id: c45c7990b9 (このIDを非表示/違反報告)
緋月 - 別に愛されていない訳でもないし、虐めも軽いし、暴力もない。だから『私はつらくない。何で勝手に悲しんでるんだろう。』って思って、辛さは誰かと比べるもんじゃないって、嬉しかったです。ありがとうございます。ありがとうございます。 (2018年3月17日 20時) (レス) id: b1db03f0a4 (このIDを非表示/違反報告)
緋月 - ありがとうございます。私は親を亡くしたわけでも、そうゆう人に虐められてもいないけど、考え方がすごく似ていて、自分の事みたいで嬉しかったです。 (2018年3月17日 20時) (レス) id: b1db03f0a4 (このIDを非表示/違反報告)
零生(プロフ) - かなるいさん» そちらの方でもコメント頂いて、本当に嬉しいです!!ありがとうございます。はい、タイミングを見て書いてみます！ (2017年8月30日 1時) (レス) id: c45c7990b9 (このIDを非表示/違反報告)
かなるい - 零生さん» 何度もすみません。もう読んでますよ´`*すごく面白いです。可愛いうらたさん、楽しみにしてますね (2017年8月29日 22時) (レス) id: b2b228fcf1 (このIDを非表示/違反報告)
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