404、お節介 ページ8
それから、忘れちゃいけないことがもう一つある。
『マリクとはとっくに別れたけど?趙金雲監督は彼にも連絡先を聞こうとしてたけど、彼は携帯を持ってないみたいで』
「そう…」
マリクの件だ。
だがルースの話からするに彼との連絡手段はもう無いということだろう。
『居場所なら知ってるけどね』
「えっマジか!?どこ!?」
さっきから奇跡的な展開が続く。
『彼のところに行くつもりなの?』
「ちょっと、聞きたいこともあるし…」
さっきは趙金雲たちから中断されてあまり話せなかったから。
『どうしても?』
「うん…ダメかな」
なかなか居場所を教えてくれない。ルースはAがマリクと会うことに少し反対しているようだった。
『彼だってオリオン財団に従っているんだぞ』
それは事実なのだから警戒してしまうのも当然だ。
「けど……」
自分の生い立ちを語るマリクの姿が脳裏をよぎる。あの時の彼の表情が気になって仕方ない。
「辛そうだった」
何というか、迷いが見えた。
自分のしていることが間違ってないと信じているのなら、あんな顔はしないはずだ。
「これで良いんだって自分に言い聞かせてたみたいだった。オリオンに恩があるならそういう考えになるのは無理はないのかも」
マリクくんがそれほどオリオン財団に救われたってことは大いに伝わってきた。
あんなオリオン財団でも、誰かを救ってきたんだってことも。
「けど…誰だろうと人の心を縛るなんて間違ってる」
だから私たちはオリオン財団を許すわけにはいかないんだ。
オリオン財団のやっていることが正しくないということは、彼だってわかってるはず。
それでも悪と正義の狭間で迷っているなら、誰かが道を示すべきだと思った。
『君、お人好しというか…お節介が過ぎない?』
今のはあまり褒められていない気がした。
『他人の…しかも会ったばかりの人のためにそこまでしようなんて』
「それを言うならルースくんだって。初めて会った日、私を親身になって助けてくれたじゃない」
あの時初対面だよ私たち。しかも下手したら捕まえられて何されるか分からない状況だったのに。
明日人の代役の件だってそう。自ら危険を買って出たってことなんだから。
『あれは、反オリオンとしての役割だったから…』
「だとしても、誰かのためにあそこまで出来るなんてすごいと思うよ」
『…ありがとう』
「…ん、あれ、もしかして照れた?」
『別に』
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紅葉 - あああさん» コメントありがとうございます!更新及び返信が遅くなり大変申し訳ございません。亀更新になるとは思いますがこれからも頑張ります! (2020年3月3日 3時) (レス) id: bcd97f376b (このIDを非表示/違反報告)
あああ - 何度も読み返ししてます!!紅葉さんの作る話が面白くてすごく続きが気になります!このシリーズが好きで毎日チェックしてます笑ヒロトが特に好きなので出てくる度にうぉぉおってなります更新いつまでも待ってます!!無理せず更新頑張ってください!応援してます (2020年2月11日 20時) (レス) id: de8812076d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紅葉 | 作成日時:2019年12月4日 0時