検索窓
今日:7 hit、昨日:22 hit、合計:48,045 hit

414、オリオンの真実 ページ18

___これは「希望」だ。いろんな者たちがこの一つのボールを追いかけ、夢を見てきた。お前もこのボールで、明日が訪れることを信じて走り続けるんだ。昨日よりも今日、今日よりも明日。一回でも多くボールを蹴って、明日に向かって夢を追いかけるんだ。サッカーは必ず、お前に全てを与えてくれる。

ヴァレンティン・ギリカナンは、その言葉と共にフロイにボールを与えた。

「ゆっくりでもいい。一歩ずつ前進すれば必ずゴールにたどり着ける。」ボールを見れば、父がそう言ってくれている気がしていた。
ボールを蹴っていれば、自分の命が明日にも危ういという恐怖が頭をよぎることも一切なかった。そして次第に、体も強くなっていった。

だがそんなある日。

『フロイ、サッカーはどうした?』

部屋で一人で絵を描いているフロイに父が声をかける。

走っていると苦しくなるし、服は汚れるし、周りの子たちのように上手く出来ない。それらの理由でフロイはサッカーへの情熱を失いかけていた。

『フロイ、こっちに来なさい』

そんなフロイを、父はリビングに呼び出した。

リビングの大画面に写されているのは、世界のあちこちで貧しい環境にも負けずボールを追いかける子供たちの姿。

『この子たちはな、お前のように毎日美味しいご飯を食べることができないんだ』

『え?何で?』

『貧しくて食べ物が買えないからさ』

『かわいそうだね』

しかし父から出たのは、意外で、大切な言葉だった。

『しかしな、本当にかわいそうなのは、心が貧しい時だ。この子たちはサッカーボールを追いかけ、夢に向かって走っているんだ。だから今、この子たちはちっともかわいそうじゃないんだぞ。お前もこの子たちに負けないよう、サッカーを続けて病気と戦うんだ』

それはフロイの胸に大きく響いた。

『うん、分かったよ!僕、負けない!』




それがオリオンの真実。

あの時の出来事があったから、今のフロイがいる。




「オリオンは、一人の少年を救う為に作られた組織だったのかもしれないな」

「オリオンにますます幻滅しちゃった?」

フロイが隣にいる一星に尋ねる。だが、一星は初めて耳にした話に心打たれていた。

「いや、オリオンの大切さが改めて分かったよ」

415、革命→←413、ヴァレンティン・ギリカナン



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
63人がお気に入り
設定タグ:イナズマイレブン , オリオンの刻印 , イナオリ   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

紅葉 - あああさん» コメントありがとうございます!更新及び返信が遅くなり大変申し訳ございません。亀更新になるとは思いますがこれからも頑張ります! (2020年3月3日 3時) (レス) id: bcd97f376b (このIDを非表示/違反報告)
あああ - 何度も読み返ししてます!!紅葉さんの作る話が面白くてすごく続きが気になります!このシリーズが好きで毎日チェックしてます笑ヒロトが特に好きなので出てくる度にうぉぉおってなります更新いつまでも待ってます!!無理せず更新頑張ってください!応援してます (2020年2月11日 20時) (レス) id: de8812076d (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:紅葉 | 作成日時:2019年12月4日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。