367、ルーティン ページ21
翌朝。
今朝は明らかにいつもと違った。
アツヤやヒロトからはすれ違った時に挨拶してもそっぽを向かれてしまうし、氷浦に至っては話しかけ辛い。
自分で何とかするとは決めたが心が折れそうになっていた。
すると「それにしてもさ」と正面の席で朝食をとっていたのりかが話を持ち出す。
「今日からはまたAと一緒に練習できるんだね」
と、のりかは嬉しそうに笑う。
「嬉しいよ！一緒に頑張ろう！」と可愛らしい笑顔を向けられ、Aはすっかり癒され元気に返事をした。
「…だね！」
胃が少し痛んでいたのが、今のでかなり和らいだ。
こういう時、のりかの存在って偉大だなと思う。のりかが来てくれて本当に良かった。
苦痛と癒しの混合した朝食タイムを終え、一旦部屋に戻る。
「…どうしたものか」
机の上に置かれた羽飾りを見つめたまま動けなくなっていた。
これまではこれを身につけて過ごすことがルーティンとなっていたが、今朝は初めて付けることができなかった。だが正直これを付けていないと落ち着かない部分はある。…が、それでもなお手に取ることを躊躇してしまう。
くれた本人からされたことを思い出してしまって。
その瞬間肩に小さな痛みが走った気がした。
机に置いていた鏡が視界に入ると、ジャージとその下に着ていたシャツを脱ぎ捨ててみる。
鏡に映った自分の姿を見ると、肩のところが一部ポツンと赤くなっていた。
…ああ、やっぱり残ってた。
この跡に身に覚えならある。
ベルナルドの仕業だ。
肩に口づけされた際痛みが走ったため、跡ができているのではないかと思ったら…案の定。
あの時の光景を脳内でリピートしてしまい顔から火が出そうになる。
「…はあ」
大きくため息をつき、うなだれる。
その時。
コンコンと丁寧なノックの音が聞こえ、ビクリと体を揺らすA。
そして「A、いる？」と、扉の向こうから声がした。
「…タツヤ？」
タツヤ特有の穏やかな声だ。
「どうしたの？」
服を拾い上げながら扉の向こうのタツヤに尋ねる。
正直今は誰かに合わせられる顔をしていないので用件だけ聞いてお引き取り願うつもりだった。
…が
「入るよ」
と、Aが承諾する前にドアノブを回すタツヤ。
だがAはまだ服を着ていないままだ。
「えっ！？ちょ、ちょっと待って！開けないで開けないで！！」
Aは言いながら急いでシャツを着ようとしたが時既に遅し。その扉は開かれた。
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飛鳥 - いちいちパスワード認証がでるのですか？なぜですか？ (2020年3月25日 22時) (
レス) id: 5955d179f7 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - 沙希子さん» あたたかいコメントありがとうございます！最近更新が遅れ気味で大変申し訳ございません。最終回に向けてこれからも更新を頑張っていくつもりですので楽しんでいただけると幸いです。 (2019年11月17日 10時) (レス) id: bcd97f376b (このIDを非表示/違反報告)
沙希子(プロフ) - 更新焦らず頑張ってください!続き凄く気になります。 (2019年11月17日 6時) (レス) id: 03fe093666 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - そそそさん» コメントありがとうございます！1番ですか！？とても嬉しいです！ありがとうございます！！更新が大幅に遅れてしまい大変申し訳ございません。これからも頑張りますのでよろしくお願いします。 (2019年10月23日 18時) (レス) id: bcd97f376b (このIDを非表示/違反報告)
そそそ(プロフ) - 今まで見たイナアレ小説の中で1番おもしろいです。更新楽しみにしています！ (2019年10月23日 10時) (レス) id: 924231b153 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅葉 | 作成日時：2019年9月29日 21時
