296、支えられる人 ページ49
貴女「風丸さん、あの時は愚痴聞いてくれてありがとうございました!」
お世話になった先輩にも頭を下げるA。
だが風丸はAに対しても謙虚な面もあるので、
風丸「俺は何もしてないだろ」
とだけ言う。
貴女「そんなことないですよ。あの時のおかげで私、練習に精を出すことができましたから」
風丸は精神面で大きく変化の見られた後輩を見て、ふっと笑いながら「お役に立てたのなら光栄だ」と言った。
風丸さんが私の心の支えになってくれたように、私も誰か困っている人がいたら支えられる人になれたら。
Aは心優しい先輩を見て、そう感じた。
一星がスタジアムの廊下を歩いていると、試合を一部始終見ていたフロイから声をかけられた。
フロイ「良い試合だったね。光たちとの戦いが楽しみになったよ」
一星「俺たちは強くなったよ。今の日本はロシアとも渡り合える」
フロイ「へえ、君がそんなことを言うなんて変わったね、光」
一星「変わった…俺が?」
フロイ「当然か。君は充と光という2人から、人格統合によって今の君になった。つまり、僕が知ってた以前とは違う」
一星「そこまで知っているんだね」
フロイ「ああ、君のことはなんでも知っているよ。なんたって僕らは親友なんだからさ」
親友だ、と得意げに話すフロイ。
一星「多分、今のフロイには俺を理解できない。俺には仲間ができたんだ。仲間の為に、もっと強くなりたいって思う」
フロイ「仲間の為に?光、それって親友より上なの?」
一星「上、というか安心するんだ。暖かい毛布にくるまって、うとうとするような感覚だよ」
フロイ「…へえ…」
暖かい毛布。間接的な表現に興味深そうなフロイ。
フロイ(安心する、か…)
その言葉で、フロイは一人の少女を真っ先に思い浮かべた。
そして、自分もかつてそんな感覚を覚えたことがある気がする。それを思い出した。
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作者名:紅葉 | 作成日時:2019年8月23日 13時