278、氷結のグングニル ページ31
灰崎「このままじゃ点を防ぐことができても、点を取り返すことはできねえ…!」
スペインとの肉弾戦に、徐々に灰崎の体力も削られていく。
そんな現状を打破するべくして、士郎がアツヤの元へ向かった。
士郎「あれを使おう。流れを変えるには、あれしかない」
アツヤ「…断る。あれは禁断の技だ」
士郎「分かってくれ、アツヤ。僕の足は、次の試合までもちそうにない…。ここでスペイン打倒への突破口を開く!」
迷いの見えるアツヤにもう一度「アツヤ!」と叫んだ。
アツヤ「…ああ、わかったよ。一度言い出したら、兄貴は絶対折れないからな。俺たちで世界の度肝を抜かせてやろうぜ!」
アツヤの了承も得ることができ、士郎が前線へと上がっていく。
士郎「くっ…禁断の必殺技か。この技にぴったりの響きじゃないか」
痛みに顔を歪めながらも、アツヤにロングパスを出す。
アツヤ「この試合にかける兄貴の思い、受け取ったぜ!」
アツヤの側転バック転からのオーバーヘッドキックで、ボールはアロンソの元へ伸びた。
「氷結のグングニル!」
その新必殺技にアロンソは反応できず、とうとうイナズマジャパンが一点を返すことができた。
貴重な一点を決めてくれた吹雪兄弟の周りに、メンバーが集まってくる。
2人共、すごい。
Aも嬉しさで顔をほころばせた。
だが足の痛みが限界に達し、士郎はフィールドにうずくまった。
「これぞまさに、日本代表を救う一撃!」趙金雲が笑いながら言った。
趙金雲「そして、これにて吹雪士郎くんの出番、終了〜!」
剛陣「おい!そんな言い方ねえだろ!」
呑気に言う趙金雲に怒鳴る剛陣。
趙金雲「これは彼の選択なのですよ」
趙金雲は士郎を見つめたままにやりと笑った。
アツヤ「ったく、言わんこっちゃねえ…」
士郎に肩を貸して、フィールドの外へと歩き出すアツヤ。
士郎「後は任せたよ、アツヤ…」
アツヤ「ああ」
「頑張って、Aさん…」士郎がそう呟くと共に、前半が終了した。
66人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「イナズマイレブン」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:紅葉 | 作成日時:2019年8月23日 13時