262、二人目の狼 ページ15
ミーティングルームにて、二人目の助っ人である人物が紹介された。
趙金雲「吹雪アツヤ。イナズマジャパンの補充メンバーです」
士郎「来たか…」
アツヤの兄である士郎は顔をほころばせた。
アツヤ「ここに来たからにはスペインだろうがロシアだろうがアメリカだろうが、俺たちのブリザードで飲み込んでやるぜ!」
貴女「……」
吹雪アツヤ。
鬼道さんや久遠コーチが選んだ追加メンバー。
確かに、この人は凄い力を持っているけど…
アツヤはAと目が合うなり歩み寄り、至近距離から睨みつけてきた。
アツヤ「…何見てんだ?テメェ」
…この人は私に対する態度がでかいのなんの。
これはFFで戦った時からそうだった。
今だって何で私にだけ突っかかって来るのやら…。
アツヤ「俺が来たことに文句でもあんのかよ」
貴女「や、ないですけど…」
アツヤの威圧に、Aも仰け反った。
士郎「アツヤ。Aさん困ってるよ」
士郎がアツヤの肩に手を置いて制した。
アツヤ「…ふん」
これは相当嫌われてるっぽい。
私、この人に何かしたっけ?記憶にない。
本当に、兄弟でこうも違うかって思うよ…。
士郎「ごめんね。Aさん」
貴女「い、いえ」
お兄さんの方は優しいのに…
アツヤ「…何だよ」
弟はこんな感じだもんな。
その時、析谷がパソコンから何かを発見した。
「監督、ちょっとこれを」析谷がパソコンを趙金雲に見せた。
析谷「念のためこのキャンプ周辺のデータ通信を監視していたんですけど、おかしな動きを見つけたんです」
子文「そんなことまでできちゃうんですか?」
析谷「僕、フィジカルトレーナー兼データ分析担当兼料理長兼データセキュリティ担当だからね」
子文「すごっ!」
聞くたびに析谷さんの仕事が増えていく。
この人は一体どれだけ得意分野を秘めているんだろう。
析谷「これ、キャンプの敷地内から誰かが外部に大量のデータを送信している形跡です」
趙金雲「ほう」
析谷「可能性として一番高いのは、ここの誰かがイナズマジャパンの情報を外部に送ってるってことかな」
明日人「ええ!?」
不動「…おい、この中にまだ裏切り者がいやがんのか?」
裏切り者…嫌な響きだが、言っていることは正しい。
野坂「…そういえば、人狼っていうゲームでも、狼は一人じゃない。二人目の狼がいるんだ」
二人目の狼。
その不吉な言葉を耳にしたイナズマジャパンに重苦しい空気が流れた。
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作者名:紅葉 | 作成日時:2019年8月23日 13時