天使(仮)の人生は平穏無事とはいかない。4【オリオンの刻印】

157、楽しいかどうか ページ9

だが試合が始まってみると、中国代表の恐ろしさを直に目の当たりにすることになった。

曲芸に似たプレイや中国の選手全員での技、「万里の長城」など、イナズマジャパンは翻弄される。

ハオ「天空隼弾！」

ハオは高くジャンプをし、シュートを撃った。

円堂はそれを「風神雷神ゴースト」で迎え撃つ。だがそのシュートは円堂の真上を通過し、ゴールに入った。

中国に先制されてしまった。

円堂「すまない、みんな。「風神雷神ゴースト」の弱点を、まんまと突かれたな」

そばでたくさん円堂の技を見てきた監督たちだから、弱点を見抜かれているのも無理はない。

…監督は本気でジャパンに勝つつもりなんだ。



その後も「万里の長城」から「天空隼弾」の流れで、0ー2となってしまった。

円堂の「風神雷神ゴースト」はハオの前には完全に封じられた。



そんな時、吹雪と岩戸に代わり西蔭と砂木沼がDFとして入れられた。

西蔭と砂木沼はいつもとは違い、青のユニフォームを着ている。

これでGKが三人揃ったことになるけど…久遠コーチ、一体どういう考えを？



三人で必殺シュートを止めるらしい。

だが当初の心配通り、西蔭と砂木沼の息が合わず、三人の連携必殺技は失敗してしまった。

すんでのところで野坂が「天空隼弾」を止めてくれたから良かったが。


どうしても砂木沼の技を出すタイミングが少し遅れてしまう。そのため、連携技はなかなか上手くいかない。

ついにイライラが頂点に達した西蔭。

西蔭「タイミングを早くしろと、何度言えば分かる！」

砂木沼「焦りは何も生み出さぬ。お前も、もう少しどっしり構えたらどうだ」

二人の言い争いはAのいるところまで聞こえている。

ま、まずい。二人の間に溝ができ始めてる…。

円堂「どうした、二人共！」

砂木沼「このままやっても、上手くいくはずない」

西蔭「そうですよ…」

諦めモードの二人だが、円堂はもちろんそうじゃない。

円堂「上手くいかないなら、それでいい！」

ニカッと笑ってそう言う。

円堂「なあ、楽しくやらないか？」

楽しく、円堂のその言葉にAもピクリと反応した。

西蔭「円堂さん、何を言って…」

砂木沼「楽しくても、負けたら駄目だろう」

円堂「いや、楽しいかどうかの方が大事だ！思い出せ、フットボールフロンティアで明日人たち雷門中と戦った時のことを！」

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