195、夢を夢で終わらせたりしない ページ47
そんなAの元へ次は氷浦と万作が来た。
万作「クラリオは次の対戦相手だぞ。お前がそんなんで大丈夫か?」
貴女「…そんなんでって?」
万作「お前はクラリオに憧れてるみたいだけど、そんな相手とまともに戦えるのかってことだ」
貴女「大丈夫!勝ちたい気持ちはクラリオさんにだって負けてない自信あるし!」
氷浦「…!」
迷いなく答えるAを見て、氷浦は合宿初日にAが言ってた「戦ってみたい相手」がスペインのことだったんだとようやく気づいた。
貴女「でも私だって、このまま憧れてるだけで終わっちゃダメだとは思ってた」
目標にしてた人だからこそ、追い越さないと。
クラリオさんと一緒のフィールドに立って…そして勝ちたい。
夢を夢で終わらせたりしない。
貴女「…憧れを卒業する、良い機会よ」
そう呟いたAはクラリオの元に歩みを進めようとしたが、どこにもクラリオはいなかった。
貴女「…あら?さっきまでそこにいたよね?」
万作「クラリオか?さっきどっか行ってたぞ」
貴女「え、本当?どこ行っちゃったんだろ…」
万作「今度はあいつに何を言うつもりだ?」
貴女「クラリオさんがスペインは負けないって宣言してたから、私もクラリオさんに宣言してやろうと思って」
万作「イナズマジャパンは負けないって?」
貴女「おうよ!そうやって言葉にした方が、気持ちもより引き締まると思うし!ちょっと行ってくる」
Aがクラリオを捜しに行こうと歩き出した。
氷浦「…あ…」
引き止めたくても、何と言って引き止めればいいか分からず、結局何も言葉が出なかった。
氷浦は「行くな」と言えずAをクラリオの元に向かわせたことを後悔しつつも、何故か少しほっとした。
氷浦(…今の俺の顔、見られなくて良かったかもな…)
きっと今、嫉妬で歪んでいるから。
そんなのAに見られたくない。
…でも、やっぱりAに他の人のところになんか行って欲しくなくて。
氷浦(…わがままかな、俺)
万作「…大丈夫か?」
いつもの彼らしからぬ苛立ちを見せている氷浦に万作も心配する。
だが今の氷浦の耳には届いてないようだ。
氷浦(…Aが他の人のことばかり意識してるのを見ると、すっごくモヤモヤする…)
下を向いて拳を強く握りしめる氷浦。
氷浦(…俺がこんな嫉妬深いなんて知ったら、Aはどう思うだろう…)
氷浦が何も言わずとも、万作にも氷浦の気持ちは痛いほど分かっていた。
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アンリ - あの、すみませんが118のところリバ表ではなく下馬評だとおもうのですが…もし合ってたらすみません (2020年5月14日 7時) (レス) id: 57294cbbcb (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - 黒蛇さん» コメントありがとうございます!私もクラリオ好きなのでそうおっしゃっていただき、とても嬉しいです…!!クラリオとの絡みはこれからも入れていく予定なので楽しんでいただけると嬉しいです!これからも頑張ります! (2019年8月2日 14時) (レス) id: bcd97f376b (このIDを非表示/違反報告)
黒蛇(プロフ) - クラリオ好きなので、クラリオとの絡みがとても嬉しくて!!いつも拝見させていただいてます!面白くてキュンとして!!大好きな作品です!!これからも応援します!! (2019年8月2日 14時) (レス) id: cc9de3dd63 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - まりもさん» コメントありがとうございます!氷浦くん可愛いですよね!好きな子ができた氷浦くんも最高に可愛い反応を見せてくれそうだなあと思っています! (2019年7月20日 18時) (レス) id: bcd97f376b (このIDを非表示/違反報告)
まりも - ああぁああぁ氷浦くん……!!!かわいい!!! (2019年7月20日 15時) (レス) id: 09f5487487 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紅葉 | 作成日時:2019年7月20日 13時