182、言ってくれれば ページ34
貴女「…ん？」
呑気に料理を頬張っていると、どこからか視線を感じた。
貴女(気のせいかな…)
特に気にすることなく最後の一口を運ぶと、やはり見られている気がした。
辺りを見回してみると、こちらに携帯を向けている万作と目が合った。
貴女「！」
万作「…げっ…」
写真を撮ろうとしているところをAに見つかり、万作は慌てて携帯を隠した。
携帯をしまうなり、目をそらして知らん振りをする。
貴女「…」
Aは食べ終えた皿を近くにいたスタッフの人に預け、万作の元へ歩いた。
Aがこちらに向かってると気づいた万作は逃げようと歩き出した。
貴女「！ちょっ…」
歩くスピードを速めて万作の腕を掴んだ。
貴女「な、何で逃げるの⁉」
万作「…お前が追ってくるからだろ…」
貴女「万作がこっち撮ってたからでしょ！」
万作「…と、撮って無いって…」
貴女「嘘！じゃあ何で逃げたの？」
万作「…それは…」
やましいことが無ければ逃げ出したりしないはず、それに万作はぐうの音も出なかった。
万作「…悪い…」
もう勝手に撮らない、そう約束したのに破ってしまった。
嫌われてもおかしくない、そう覚悟した時。
貴女「もー。そんなコソコソしなくても、言ってくれれば写真なんていつでも撮って良いのに」
万作「……えっ？」
Aから出たのは、思いもよらなかった言葉だった。
万作「……良いのか？」
貴女「え？ちゃんと声かけてくれれば、駄目じゃないけど」
万作「…撮らせてもらえないかと思った…」
貴女「知らない内に撮られてるのは嫌だけどね」
万作「…だって今日のお前、ドレス着てすごい恥ずかしそうだったから」
貴女「…あー…」
確かに始めの方は写真も恥ずかしかったと思う。
けど、今は…
貴女「…今なら大丈夫」
万作「…そ、そうか…」
「じゃあ…」と、遠慮無く携帯を取り出す万作。
万作「…お前って、昔からほんと変わってるよな」
貴女「ん？」
万作「…いや、何でもない」
貴女「あ」
すると、Aが何かを思いついたように手の平に拳をポンと打ち付けた。
貴女「そうだ！万作も一緒に写ろうぜ！」
万作「えっ、何で俺まで…」
貴女「これも島のみんなに送るんでしょ？ならそっちの方が良いよ！」
万作「…あ」
そういやそういうことにしてたな、と万作は思い出した。
貴女「つくしせんぱーい！写真撮ってもらって良いですかー？」
すぐ近くにいたつくしに声をかけた。
万作「お、おい！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 84人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アンリ - あの、すみませんが118のところリバ表ではなく下馬評だとおもうのですが…もし合ってたらすみません (2020年5月14日 7時) (
レス) id: 57294cbbcb (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - 黒蛇さん» コメントありがとうございます！私もクラリオ好きなのでそうおっしゃっていただき、とても嬉しいです…！！クラリオとの絡みはこれからも入れていく予定なので楽しんでいただけると嬉しいです！これからも頑張ります！ (2019年8月2日 14時) (レス) id: bcd97f376b (このIDを非表示/違反報告)
黒蛇(プロフ) - クラリオ好きなので、クラリオとの絡みがとても嬉しくて！！いつも拝見させていただいてます！面白くてキュンとして！！大好きな作品です！！これからも応援します！！ (2019年8月2日 14時) (レス) id: cc9de3dd63 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - まりもさん» コメントありがとうございます！氷浦くん可愛いですよね！好きな子ができた氷浦くんも最高に可愛い反応を見せてくれそうだなあと思っています！ (2019年7月20日 18時) (レス) id: bcd97f376b (このIDを非表示/違反報告)
まりも - ああぁああぁ氷浦くん……！！！かわいい！！！ (2019年7月20日 15時) (レス) id: 09f5487487 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：紅葉 | 作成日時：2019年7月20日 13時
