30 ページ30
.
ソンジェさんの返事も聞かず、
私の腕を引いて歩き出すナムジュン。
立ち尽くしたままのソンジェさんを何度か振り返りながら、それでも足を止めることはなかった。
「ねぇ、ナムジュっ……」
玄関に入った途端、唇を塞がれた。
何度も、何度も重なる唇に酔いそうになる。
何度目か分からない口づけのあと、ナムジュンは私を抱きしめた。
「……とりあえず、中に入ろう？」
「……うん。そうだね」
コートだけ脱いで、二人で向かい合ってソファに座る。
「どうして、あそこにいたの？」
「ビールを飲もうと思ったんだけど、冷蔵庫になくて。
買いに行こうとしたらAたちを見つけたんだ」
「……じゃあ、聞こえてた？」
うん、と頷くナムジュン。
最悪だ。
よりにもよってナムジュンにバレるなんて。
いや、ナムジュンだったのはまだ幸いかもしれない。
他の人だったら、それこそ広められていたかもしれない。
だけどやっぱり、ナムジュンには見られたくなかった。
「……ごめんね」
「どうして？」
「私がナムジュンと付き合ってるって、言わなかったから……」
「……そんなの、関係ないよ」
ぎゅっと抱きしめられて。
また、視界がぼやける。
「俺たちが付き合ってることくらい、いつ言ったって構わない。
Aが俺の隣にいてくれれば、それでいいんだ」
「ナムジュナっ……」
「だからゆっくりでいい。焦らなくていい。
Aの気持ちが決まったら、その時に言えばいい」
「……うん。ありがとうっ」
いつだって、ナムジュンは私のことを思ってくれている。
ナムジュンがいればそれでいい。
私が怖がる必要なんて、最初からなかったんだ。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 634人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
閔(プロフ) - ナノカさん» ナノカちゃん！ありがとう(*´∀｀*) ナムさんって愛の言葉はかっこよく言うと思うんです...だから最後は私の好きを詰め込みましたが、結果オーライですね！私もあんな彼氏ほしい...ただただ好き... 次のお話もキュンキュンしてもらえるように頑張ります！ありがとうね！ (2020年5月24日 20時) (
レス) id: 61c94025e1 (このIDを非表示/違反報告)
閔(プロフ) - シンさん» いえ！こちらこそコメントありがとうございます！(*´∀｀*) 不器用だけど、それ以上に彼女への愛が溢れるナムさん...かっこいいですよね（ ; ; ） 私もキュンキュンしました笑 次のお話もよろしくお願いします！ありがとうございました！ (2020年5月24日 20時) (レス) id: 61c94025e1 (このIDを非表示/違反報告)
閔(プロフ) - あがしおんさん» わぁ！あがしおんさん！ありがとうございます(*´∀｀*) 後半はとにかくかっこいいナムさんを書こうと頑張ってました笑 あがしおんさんの癒しになっていたならとても嬉しいです！今後のシリーズもよろしくお願いします！ありがとうございました！ (2020年5月24日 20時) (レス) id: 61c94025e1 (このIDを非表示/違反報告)
ナノカ(プロフ) - 閔ちゃん完結おめでとう！不器用なのにさらりと愛を囁いちゃうずるいナムジュンにキュンキュンしながら読んだ（ ; ; ）はあんあんな彼氏ほしい…と心で悶絶してます（笑） (2020年5月24日 19時) (レス) id: 59d638975a (このIDを非表示/違反報告)
シン(プロフ) - 閔さん» お返事ありがとうございますそして完結おめでとうございます！！！！不器用なのにさらっとかっこいいこと言えちゃうナムさん大好きです！もう最後キュンキュンが止まりませんでした！素晴らしい作品をありがとうございました！これからも頑張ってください！ (2020年5月24日 11時) (レス) id: 77e8e0a85d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：閔
| 作成日時：2020年4月11日 16時
