【Free! シリーズ】短編集 (ページ7)

今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:25,179 hit

遠野日和誕生日編ページ7

日和side

千歳『日和君、明日練習が終わったら大学前で待ってて！』

昨日、千歳ちゃんからこのようなメールが届いたのだ

郁弥「日和、どうしたの？練習が終わってからずっとスマホの画面を眺めて…」

練習が終わり、更衣室でスマホを眺める僕を郁弥が声をかけてきた

日和「実は、昨日千歳ちゃんからメールが届いて…」
郁弥「千歳から？」
日和「うん」

郁弥はしばらく考えると何かを察したのか口角を上げる

郁弥「…ああ、なるほどね。千歳覚えてたんだ」
日和「なるほどって何？」
郁弥「ううん、日和は気づいていないんだなって思って」
日和「え？」

郁弥の言葉に僕は首を傾げた

郁弥「本人から直接聞きなよ」
日和「え、どういう…」
郁弥「じゃ、千歳によろしくね」
日和「ええっ！ちょっと郁弥！？」

そのまま彼は更衣室を出て行ってしまった

日和「一体何なんだよ…」

１人取り残され、呆然と立ち尽くしていた
仕方なく、僕は大学前で千歳ちゃんを待つことにした

日和「それにしても、千歳ちゃんどうしたんだろう。わざわざここまで来るなんて…」

普段、彼女と喫茶店に行く時は現地集合なのだが今日に限って大学前なのは珍しかった
今は１月、さすがに外で待つのは肌寒かった

日和「郁弥以外の他の人を待つのは新鮮だな」

今までは郁弥しか待つことはなかったが、今は彼以外の人を待つことが多くなった
すると…

千歳「あ、いた！日和君～！」

遠くから元気な声が飛んでくる
その声と共に僕の元に駆けてきたのは、千歳ちゃんだった

日和「千歳ちゃん！」
千歳「遅くなってごめんね！寒くなかった？」

千歳ちゃんは僕の心配をしてくる

日和「大丈夫だけど…急にどうしたの？いつもなら喫茶店で待ち合わせなのに」
千歳「…やっぱり気づいてないか」
日和「え？」

僕の反応を見て千歳ちゃんは眉を八の字にする

千歳「日和君、今日は何の日か分かってる？」
日和「何の日って…」

その時、千歳ちゃんはショルダーバックから可愛らしい包装紙に包まれた物を取り出し、僕に差し出した