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罪悪感も相まって重たい気分でソファに腰を下ろすと、テーブルの上に本が置いてあるのに気付いた。
見てみるとインテリアの本で、付箋が沢山貼り付けてある。
悪いかなと思いつつ中を覗いてみると、綺麗な字で書き込みがされていた。
仕事もして家のこともして勉強までなんて、なかなか出来ることじゃない。
俺の母親との食事にも付き合ってくれたり、優しいし芯があって頑張り屋だ。
今まで誰にも思ったことがないのに、自分でも不思議なくらい支えたいと思う。
宏光には充分過ぎるくらい支えてもらっているし、傍にいてくれるだけで頑張れる。
こんな存在にもう二度と出会えない。
改めて宏光に傍にいて欲しいと思っていると、浴室のドアが開いた音がした。
しばらく待っているとバスタオルを頭から被った宏光がやってきた。
「あちー」
冷蔵庫から水のペットボトルを出し勢いよく飲む姿も、濡れ髪とゆるっとした部屋着というオプションを前にすると激しく色気を感じてしまう。
「裕太もいる？」
「あ、うん」
「それ好きに飲んでいいから」
投げられたペットボトルを受け取り冷たい水を流し込んでも、頬が熱い気がした。
「早く髪乾かさないと風邪ひいちゃうよ」
「んー、わかってんだけどさ」
ガシガシと乱暴に髪を拭きながら少し離れてソファに座った宏光は、妙に生々しくてドキドキしてしまう。
「ビール飲まないの？」
「飲みたいけど、今日の復習ちょっとはやんないとさ」
そう言ってテーブルの本に手を伸ばすから、俺は立ち上がってバスタオルの上から宏光の髪を拭いた。
「読んでる間に乾かしてあげる」
「え、いいよ。それくらい自分で」
「いいからいいから」
宏光の言葉を遮って洗面所からドライヤーを持ってくると、優しく乾かしていく。
困ったようにもじもじしてるのが可愛くて「かゆいとこはありませんかー？」なんて聞いてみる。
「……ないけど。てか、ほんとに大丈夫だって」
「俺が乾かしてる間に勉強したら。明日は仕事でしょ？」
「そうだけど……」
申し訳ないのか、宏光は煮え切らない言葉で終始困り顔だ。
「髪を乾かすだけじゃなくてさ、忙しかったり疲れてる時に誰かが自分の為に何かしてくれるって良くない？」
「え？」
「宏光に何かしてあげたいって思うんだよね。あと……傍にいたいし、いて欲しい」
髪を乾かし終えドライヤーを止める。
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くらげ(プロフ) - tenさん» tenさーん！最後までお付き合い頂き誠にありがとうございます。最初はTさんが泣いて終わる予定だったのですが後味どうなんだろう…と今回の形にしてみました。喜んでもらえて良かったです。また読み返してやってください。コメント本当にありがとうございました！ (2022年11月16日 22時) (
レス) id: b17685444c (このIDを非表示/違反報告)
くらげ(プロフ) - seaさん» 良かったと言って頂けて安心しました。タイトルも気に入って頂けて良かったです。今後もよろしくお願いします！(*´-`) (2022年11月16日 22時) (レス) id: b17685444c (このIDを非表示/違反報告)
くらげ(プロフ) - seaさん» seaさーん！私こそ最後まで読んで頂きありがとうございます。書いてる期間が長すぎてこれ楽しみにしてくださってる方いるのかなと思うこともあったので、そう言ってもらえてとても嬉しいです。大人になると出てくる仕事や恋愛の悩みと成長を含めて書いてみましたが→ (2022年11月16日 22時) (レス) id: b17685444c (このIDを非表示/違反報告)
くらげ(プロフ) - mimotaさん» mimotaさーん！完結までお付き合い頂き誠にありがとうございます。感動しながら読んで頂けたなんてとても嬉しいです。これから色んなことがあると思いますが二人なら乗り越えていけると思うので妄想いっぱいしてくださると嬉しいです。いつも沢山ありがとうございます！ (2022年11月16日 22時) (レス) id: b17685444c (このIDを非表示/違反報告)
くらげ(プロフ) - chaizoukunさん» コメントありがとうございます！私の作品が大好きだと仰ってくださり更には過去作も何度も読んで頂いて本当に嬉しいです。お気に入り作者登録がキリの良い数字になったら番外編を書こうかなとぼんやり思っておりますがそんな日が来るのか（笑）今後も宜しくお願いします (2022年11月16日 21時) (レス) id: b17685444c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くらげ
| 作成日時：2022年7月1日 0時
