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「すぐに出るのでその後でもいいですか？ 終わったら、楽屋に呼びに行きますから」
焦っているからなのか男の手が上から強い力で口を押えてきて、酸欠で意識が飛びそうになる。
俺の声が聞こえたからと言って藤ヶ谷が助けてくれるかなんて分からない。
だがここで藤ヶ谷を行かせたら終わりだ。
そう覚悟を決め、わずかに開いた口から汗臭い手のひらに噛み付いた。
「痛ってぇ！」
「ごほっ、は……っ……ふじがや――――……！！！」
手が離れた瞬間、咳き込みながら必死で名前を呼んだ。
藤ヶ谷に助けを求めるのは怖い。
だがそれ以上にこんな奴に触られるのは嫌だった。
「北山！？」
「ふじがや……っ、ふじ……」
「おい！ なにしてくれてんだよっ」
入口に向かい床を這いずっていると、怒声と共に後ろから足を引っ張られる。
「やだ……！」
「北山！ おい、北山！」
藤ヶ谷がドアを何度も叩いている。それだけで涙が出た。
「ふざけやがって！」
男が俺の肩を強い力で掴み、体を反転させるように床に押し付ける。
押し付けられた体が痛い。
くらくらして力が入らない。
「……ふじがや……」
「呼ぶ名前が違うだろ？」
名前が違う？ 俺の上にいる人の顔を見るが、名前が思い出せない。
頭が朦朧とする。
藤ヶ谷の声が一際大きく聞こえたところで、一瞬意識が途切れた。
気が付いたら、甘い匂いに包まれていた。
「北山！ しっかりしろ！」
「……ふじ、がや……？」
「そう、俺だ。藤ヶ谷だ」
いつの間にか藤ヶ谷が目の前にいる。
さっきの汗臭い匂いとは違う、甘い良い香り。
俺の大好きな匂い。
「……ふじがや……っ」
心の底から安堵して、目尻から涙が零れるのを感じた。
それを拭う気力もなく、ただ藤ヶ谷の顔を見つめる。
藤ヶ谷は眉間に皺を寄せていた。
そんないつもだったら心が縮こまってしまう表情も藤ヶ谷がそこにいると思うだけで安心して、俺は完全に意識を手放した。
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くらげ(プロフ) - mimotaさん» mimotaさんー！明けましておめでとうございます(*≧∀≦*)Fさんsideどきどきして貰えたようで嬉しいです(〃ω〃)そういった内容…何れ出てくるかと思いますので気長にお待ち頂けたら嬉しいです（笑）今年も宜しくお願いします！コメント本当にありがとうございました！ (2020年1月6日 22時) (
レス) id: b17685444c (このIDを非表示/違反報告)
mimota(プロフ) - くらげさん！あけましておめでとうございます☆年始からたくさん更新嬉しいです(*≧∀≦*)この間のFさんsideすごくどきどきしました\(//∇//)\またこの後も、くらげさんが書かれるそういった内容のFKがみれることをひっそりと(笑)期待してます(^^) 今年も応援してます！ (2020年1月6日 11時) (レス) id: e3aff967f8 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ(プロフ) - nanacoさん» nanacoさんー！今作も読んで頂けているだけで嬉しいのに更に嬉しすぎるお言葉…！本当にありがとうございます！！｡ﾟ(ﾟ´ω`ﾟ)ﾟ｡想像以上に吸血鬼設定に苦戦しておりますがワクワクして貰えるよう頑張ります！コメント本当にありがとうございました(*´ω`*) (2020年1月6日 1時) (レス) id: b17685444c (このIDを非表示/違反報告)
nanaco(プロフ) - くらげさん、前作に続きこちらも愛読させて頂いております(//∇//) 吸血鬼設定、とってもワクワクします♪ 北玉も藤北も、くらげさんの書く世界観の中で読めるのが嬉しくて仕方ないです(><) (2020年1月6日 0時) (レス) id: d77fcd2775 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ(プロフ) - ririkaさん» ririka様ー！読んで下さっただけでなく嬉しいお言葉まで本当にありがとうございます！！(〃ω〃)ここからTさんFさん、どんどん巻き込まれていきそれによってまた色んな出来事が起こる予定ですので楽しんで貰えるよう頑張ります！応援ありがとうございます(*≧∀≦*) (2019年12月19日 23時) (レス) id: b17685444c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くらげ
| 作成日時：2019年11月19日 0時
