33話 ページ35
｢んじゃ、ホタルも居なくなってきたし遅くなる前に帰るか｣
『ひーくん抱っこ！』
｢ほら、おいで｣
岩本はAを姫抱きして飛び立つ
『空からの景色こんなんなんだ！』
あまり見ない景色に喜ぶ
｢屋敷見えてきたぞ｣
華麗にAの部屋に着地する
『えーデート終わりかぁ』
｢明日は目黒だろ？早く寝な｣
『てかよく考えたら連続キツくない？1日置きにしようかな』
｢今更ダメだよ、目黒楽しみにしてたぞ｣
『んーそうだけど、ひーくんのターン早いやだ』
ぎゅっと抱きついて離れようとしない
｢やだって言われても｣
｢にゃー｣
｢あ｣
鳴き声が聞こえて振り向くと猫姿の目黒がこちらを見ていて
『めめは明日！』
｢にゃ｣
｢…すまん目黒、もうちょい待って｣
『え？』
｢ちょっと岩本くん！｣
よいしょっとAを抱き抱え、部屋に入ってしまった
目黒は怒りながらも追いかけては来なかった
『ひーくん？』
｢お前が寝るまで一緒にいてやる、だから寝ろ｣
既に敷いてあった布団に寝かせ、近くに座る
『ひーくん一緒に寝ないの？』
｢…お前それ他の誰かに言ったことある？｣
『えー？あるかなー？涼太とかはあるかも』
｢だてさんはいいけど翔太には言うなよ｣
『なんで？言わないけど』
｢なんでも｣
変なのーと言いながら布団に潜る
『ねぇひーくん手ぇ出して』
「ん？はい」
言われた通りに手を出すと
『私が寝るまで離さないでね』
布団から手を出して握りしめた
「(可愛い奴だな…)」
見た目だけだとほんとに兄妹だが
実際何百歳と離れている
それでも可愛いものは可愛い
赤ん坊の時から岩本はAに対してずっと甘い
他の天狗達がビックリするほど
目尻が垂れ下がるほど笑うようになった
それは岩本本人が1番理解しているようで
自分でも不思議に思っている
『すー…すー…』
「寝たか…」
暫くすると寝息が聞こえてきて
寝たのを確認した
「種族なんて関係ないんだ、今も…昔も…」
そう呟いた岩本は眠ったAの手を離さず
朝になるまで見守っていた
「おい、」
「ん…あれ…？」
「お前ここで何やってる？」
「翔太？」
いつの間にか眠ってしまった岩本を起こしたのは翔太
「A起こしに来たらお前いたからビックリしたわ」
「え？あ、俺…」
自分の手を見るとまだ握りしめたままで
そっと離し、布団に手を戻した
「目黒が怒ってたから何かと思ったけど原因照かよ」
「わりぃ…寝てたわ」
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くらと(プロフ) - さくらさん» ありがとうございます！猫めめ可愛いですよね！ (2022年6月8日 23時) (
レス) id: 1c83c89606 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - お話面白くて好きです！めめの猫ちゃん可愛くて好きです😊 (2022年6月8日 0時) (レス) @page33 id: 79c06ba365 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くらと | 作成日時：2022年5月29日 19時
