第7話 ページ9
桜乃side
「さすが、リョーマ様ね!」
普段からクールで自分の考えを貫くリョーマくんは、それからもたまにアドバイスをくれました。
嫌がらせ、が始まったのはリョーマくんだけが違うって分かってからだったと思います。
はじめは、よく物が無くなりました。
シャーペン、消しゴム、下敷き、細かい物だったので無くなってすごく困るといったことはなかったです。
日が過ぎて行くごとに、上履きやローファー、体操着だったり鞄が隠される事が増えていきました。
クラスメイトは私がドジで、おっちょこちょいなのを知っています。どこかに忘れてきたんだろうと、私が嫌がらせをされているなんて微塵も思ってないような様子で、誰も心配はしてくれませんでした。
教科書が隠されても、ラケットが隠されても、クラスメイトも先生も何も思っていないようで。
部活内でも、変化がありました。
一部の先輩が人の目に入らない所で、色々言ってくるようになりました。
虎谷先輩と仲の良い先輩から見えないところで足を引っ掛けられたり、ラケットで殴られたりしました。
「竜崎さん、最近元気なさそうだけど大丈夫?」
眉を下げて声をかけて来たのは私に課題を出してくれる女子テニス部の部長でした。
部長は虎谷先輩と仲が良いという話は聞かないからか、何も知らない様子で私に声をかけてくれました。
「だ、大丈夫です!」
最近壁打ちがうまくいかなくて、とそう咄嗟に嘘をついてしまいました。
「ならいいんだけれど、困ったことあったら、竜崎さんのお話を聞くからね?」
その言葉に、「はい」と言えませんでした。
今が困っていたとしても、クラスメイトも先生も気づかないような今現在の様子だときっと信じてもらえないって。
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主人公side
「そんな感じで、味方という味方は親友の朋ちゃんだけなんです。リョーマくんはきっとそういう面倒ごとに関わることはないし。
皆からしたら私みたいな、いてもいなくても変わりない存在がこうして飛び出してきてもあんまり興味ないかもしれないですね」
ペットボトルを両手で握りしめて涙をこぼす。
思ってたよりもあの子の精神的にきそうな出来事に終始驚きが隠せなかった。

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バンビ(プロフ) - 猫好きさん» ありがとうございます。更新がゆっくりになってしまっていますが、続編をポチポチと作成していますのでそちらも続けて読んでいただけるように頑張らせて頂きます。 (2020年9月4日 0時) (レス) id: ff777945fb (このIDを非表示/違反報告)
猫好き(プロフ) - とても面白いです!続きが楽しみなので、これからも更新頑張ってください! (2020年9月3日 18時) (レス) id: 9581fd09d5 (このIDを非表示/違反報告)
バンビ(プロフ) - わんにゃんさん» ありがとうございます。中々更新できず申し訳ありません!!できるだけ早く更新できるよう頑張らせて頂きます。 (2020年7月2日 21時) (レス) id: ff777945fb (このIDを非表示/違反報告)
わんにゃん - とても面白くてこの作品大好きで応援しています!頑張ってください、楽しみにまってます!! (2020年6月30日 18時) (レス) id: 6ebda506cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:バンビ | 作成日時:2020年1月2日 17時