第4話 ページ6
主人公side
「いい景色ですね!」
「これが夕方とか夜だったら綺麗に見えんだけどな」
海とか連れてくとキザかなとか思い、今なら人がいないだろうと思われる丘へ連れて行った。
おじいちゃんおばあちゃんもいない割と穴場スポットの丘は夜までいるとカップルと鉢合わせる。
気まずさMAXな状況になるわけだが、それは絶対避けたい。
「自販機行ってくるから、大人しくしてろよ〜」
景色に夢中になってるのか反応のないあの子。
普段なら女相手にでもブチ切れる案件だが、あの子は許せるという状況に笑いしか出てこない。
さて、あの子は何を飲むだろうか?
ガコンッ_____
「無難にお茶でいいよな?」
缶コーヒーとペットボトルのお茶を持ち、あの子のところまで戻る。
風でゆらゆらと揺れる三つ編み。
景色を眺めるあの子の背中はどこか悲しそうに見え
た。
「お茶、やるよ」
「え!?わっ!ありがとうございます!」
プルタブを引き、缶コーヒーの飲み口を開ける。
煙草を吸いたいが煙いだろうから我慢をしている、自販機行った時に吸えばよかった。
後悔しても時は遅く、これはあの子を帰すまで吸えないな。
「今日、なんか嫌なことでもあったのか?」
黙りこくるあの子。
こりゃ何か嫌なことがあったな。
「俺でよけりゃ聞くぞー?
友達と喧嘩でもしたか?先生にでも怒られたか?」
くりくりした大きな目がどんどん潤んでいく。
ぼろぼろと溢れる涙にギョッとする。
まじか!当てちまったか!?
内心オロオロの俺を余所にあの子は首を振る。
真面目そうな子だもんな、もっとくだらない事かなとか心の中でディスってた俺は、あの子から出てきた言葉に鈍器で殴られたかのような衝撃を受けた。
「いじめ、られているんです」
口をへの字にして泣く姿がとても痛々しく見えたのはその所為だったのかと変に納得してしまった。

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バンビ(プロフ) - 猫好きさん» ありがとうございます。更新がゆっくりになってしまっていますが、続編をポチポチと作成していますのでそちらも続けて読んでいただけるように頑張らせて頂きます。 (2020年9月4日 0時) (レス) id: ff777945fb (このIDを非表示/違反報告)
猫好き(プロフ) - とても面白いです!続きが楽しみなので、これからも更新頑張ってください! (2020年9月3日 18時) (レス) id: 9581fd09d5 (このIDを非表示/違反報告)
バンビ(プロフ) - わんにゃんさん» ありがとうございます。中々更新できず申し訳ありません!!できるだけ早く更新できるよう頑張らせて頂きます。 (2020年7月2日 21時) (レス) id: ff777945fb (このIDを非表示/違反報告)
わんにゃん - とても面白くてこの作品大好きで応援しています!頑張ってください、楽しみにまってます!! (2020年6月30日 18時) (レス) id: 6ebda506cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:バンビ | 作成日時:2020年1月2日 17時