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第48話 ページ50

如月side




「意味わかんない!」




ラケットを投げた。
投げつけたラケットを踏み潰し、ガットもフレームもボロボロ。

それでも私の怒りは治らなかった。





「だから言ったじゃない」

「我妻……っ!」





涼しい顔した我妻が私の足元にあるラケットを見て溜め息を吐く。

そして小さく笑った。





「竜崎さんの退部は取り消し。

あの子をレギュラーに入れるわ、そしてレギュラー落ちは









如月、あなたよ」






周囲が騒つく。

冷たく、大声でもなかった我妻の言葉は皆に届いていたらしい。


その場にいた誰も、我妻に反対の声を上げず。

あの子を我妻に隠れて虐めていて試合に負けたシオリも、あの子に負けた次期レギュラーと言われていた山田も。





「私は副部長よ!?
レギュラー落ちなんて、そんな権限あんたにないわ!

それに負けたのは私だけじゃない、シオリも!




私だけなんて納得いかない!!!」




私の叫びが静かな空間に響く。

ここにいる誰もが、私と我妻に視線を向け、事の様子を伺っていた。






「田中は、確かに負けたけれど終盤は普段の試合ができていた。

けれど如月、あなたは初めから竜崎さんにボールをぶつけようと暴力的なテニスだった。


これで理由は明確。





あなたは青学の女子テニス部に相応しくない」






私があの時言った台詞を、今度は我妻がにっこりと微笑みながら口にした。

冷たい目は真っ直ぐに私を見つめ、自主的に退部しろとも言っているように思え、唇を噛みながら、私はその場を離れる。



私は、あいつとは違うのに。

あいつと違って、私は追い込まれる立場じゃなく、人の上に立って見下している立場の筈なのに。









高等部で正義感で綺麗事並べて、女王に逆らって、居場所のない姉とは違うのに。


このままじゃ、私、あいつと同じ目に遭う?







ロッカールームで、スマホを取り出し、梅子にメッセージを送る。

既読のつかないメッセージ。





画面には無数の水滴が付く。

噛む親指からは、血の味が口に広がった。














「チッ……」

「どうしたの?梅子」

「あ、周助……。ううん、なんでもないよ!」




画面に出たメッセージに思わず舌打ちをしてしまい、隣に立っていた周助に聞こえてしまったらしい。


笑顔で誤魔化し、出そうになった溜め息を飲み込んだ。






そして出そうになった言葉をも飲み込む。






『あいつは捨て時だ』






って。

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設定タグ:テニプリ , 青学 , 竜崎桜乃   
作品ジャンル:アニメ
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バンビ(プロフ) - 猫好きさん» ありがとうございます。更新がゆっくりになってしまっていますが、続編をポチポチと作成していますのでそちらも続けて読んでいただけるように頑張らせて頂きます。 (2020年9月4日 0時) (レス) id: ff777945fb (このIDを非表示/違反報告)
猫好き(プロフ) - とても面白いです!続きが楽しみなので、これからも更新頑張ってください! (2020年9月3日 18時) (レス) id: 9581fd09d5 (このIDを非表示/違反報告)
バンビ(プロフ) - わんにゃんさん» ありがとうございます。中々更新できず申し訳ありません!!できるだけ早く更新できるよう頑張らせて頂きます。 (2020年7月2日 21時) (レス) id: ff777945fb (このIDを非表示/違反報告)
わんにゃん - とても面白くてこの作品大好きで応援しています!頑張ってください、楽しみにまってます!! (2020年6月30日 18時) (レス) id: 6ebda506cf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:バンビ | 作成日時:2020年1月2日 17時

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