第39話 ページ41
主人公side
ぜってぇ落とす、そう覚悟したのはいいがあれから進展はなく、真面目にテニスの練習をして暗くなれば送ってく毎日。
健全なテニス練習のみで桜乃ちゃんのテニスが上達するばかりの二週間が過ぎた。
二週間前に格好良く『ぜってぇ落とす』なんて独り言決めたけど、いざデートに誘うだとか行動に示す前に必ず自制がかかる。
何の為に桜乃ちゃんを叩き上げてるんだって、テニスが好きなあの子を女子テニス部に居させる為に強くしてるのに、練習削って出掛ける時間あんのか?って。
で、なんだかんだ進展なし。
あれ?俺って意外と恋愛スキルねぇのか?
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「ほー、そんで最近真面目に学校来てんのね。
Aがまともな人間しててうける」
真顔でそう言いのける男のスマホの通知音が止まらず鳴り続ける。俺の机の上に投げ出された奴のスマホの画面には複数の女の名前がメッセージと共に映されていて、中には俺の元カノの名前もあった。
「うぜぇ。つかお前に乗り換えたのかよあの女」
「ああ!ミレイちゃん?最近声かけられてさぁ!
垢抜けたよねぇ、俺好みになったから即オッケー」
「お前も大概だよな」
「端正な容姿と優秀な頭脳、スポーツなど各方面において卓越した才能を発揮する秀才。まぁそんな俺を誰もほっとかないよねぇ」
にっこりと笑うこいつは確かに俺に並ぶくらい見た目が良くて成績も常に一位。スポーツも何やらせても完璧で、外面がいい。
女関係は屑としか言い様がない野郎だけど。
学校内で俺に話しかけてくる奇妙な野郎でもある。
「にしても、そのサクノちゃん。気になるなぁ」
「は?」
「そんなにガン飛ばすなよ、ただの興味じゃん。
Aが自分から惚れた女の子って初めてじゃない?だから気になってさぁ!」
「興味持つな。桜乃ちゃんの名前を発するな穢れる」
「うわ辛辣。Aが俺にそんな話するって事は何かアドバイス欲しいわけ?」
スマホを開き、メッセージをひとつひとつ律儀に返す男は薄ら笑う。
「そのサクノちゃんがもっと危険な目に遭って助けるのが一番じゃない?Aは不良な訳だし」
「お前に相談した俺が馬鹿だった」
「冗談。まぁ、終わってからでも遅くないんじゃないかな」
メッセージを返し終わったのかスマホの電源をオフにした男は昼休みの終わりを告げるチャイムと共に自身の教室へと戻って行く。
あいつに相談した無駄な時間、煙草吸いに行きゃ良かった。

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バンビ(プロフ) - 猫好きさん» ありがとうございます。更新がゆっくりになってしまっていますが、続編をポチポチと作成していますのでそちらも続けて読んでいただけるように頑張らせて頂きます。 (2020年9月4日 0時) (レス) id: ff777945fb (このIDを非表示/違反報告)
猫好き(プロフ) - とても面白いです!続きが楽しみなので、これからも更新頑張ってください! (2020年9月3日 18時) (レス) id: 9581fd09d5 (このIDを非表示/違反報告)
バンビ(プロフ) - わんにゃんさん» ありがとうございます。中々更新できず申し訳ありません!!できるだけ早く更新できるよう頑張らせて頂きます。 (2020年7月2日 21時) (レス) id: ff777945fb (このIDを非表示/違反報告)
わんにゃん - とても面白くてこの作品大好きで応援しています!頑張ってください、楽しみにまってます!! (2020年6月30日 18時) (レス) id: 6ebda506cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:バンビ | 作成日時:2020年1月2日 17時