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第19話 ページ21

桜乃side




「甘いものは好きですか?」



そう声をかけられ、お店のお兄さんが出してきたのは温かい紅茶とイチゴのショートケーキ。



「ふぇ!?そ、そんな、だ、大丈夫です!」

「A君から頼まれましたから。今は君以外にお客さんもいませんし、A君が戻って来るまで話し相手になりますよ」

「え、でもお仕事……」

「じゃあ、これから休憩にします」



そう言ってカップにコーヒーを注ぎカウンター越しに飲み始めたお兄さんはにっこりと笑っていた。
涙はまだ止まらないし、気持ちも落ち着いたというにはほど遠い。
紅茶を一口飲むと、少し、ほんの少しだけれど気持ちが落ち着いてきたような気がした。




「それにしても、あんなに慌てたA君を見るのは初めてですよ」

「東さん、そ…んなに、慌ててま、したか?」

「ヘビースモーカーが煙草置いてくなんて慌ててるとしか言いようがないですよ」



そう言ってカウンターに置かれた物を指差して言うお兄さんは少し呆れてた。
確かに鞄の上に乱雑に置かれた煙草とライター、それよりも東さんってヘビースモーカーなんだって驚いた。



「私、…目の前で、東さんが、吸ってるところを、見たことな、いです」

「それはまた」



驚いてから笑い出したお兄さんに私も少し口角が上がった。
柔らかい雰囲気と、優しい声音、お店の音楽に少しずつ落ち着いて来たようで、もう涙は止まりそうだ。

紅茶を飲み、ケーキを食べながら、お兄さんから東さんのお話を聞いていた。
私の知らない東さんのお話を知れて、少し胸の辺りが温かくなる。










いつの間にか涙も止まり、笑えるようになった頃。
カランコロンとドアベルが鳴り、少し息を切らした東さんがカウンターまで駆け寄ってきた。

肩には何やら荷物を持っているみたいで。



「あ、桜乃ちゃん。これ持ってみな」



肩にかかっていたのはラケットバッグの様で、東さんはバッグから白いテニスラケットを手早に取り出し、私に渡して来た。



「え?は、はい!」

「どう?グリップ少し太い?」

「そ、そうですね、私にはちょっと太いかも」



握ったり離したり少ししてみたけど少し太め。いきなりどうしたんだろうと、不思議に思っていると優しい声が降ってきた。



「それオーバーグリップテープ巻いてあるから少し太いと思う。別の巻き直せば丁度いいと思いぜ」

「へ?」

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設定タグ:テニプリ , 青学 , 竜崎桜乃   
作品ジャンル:アニメ
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バンビ(プロフ) - 猫好きさん» ありがとうございます。更新がゆっくりになってしまっていますが、続編をポチポチと作成していますのでそちらも続けて読んでいただけるように頑張らせて頂きます。 (2020年9月4日 0時) (レス) id: ff777945fb (このIDを非表示/違反報告)
猫好き(プロフ) - とても面白いです!続きが楽しみなので、これからも更新頑張ってください! (2020年9月3日 18時) (レス) id: 9581fd09d5 (このIDを非表示/違反報告)
バンビ(プロフ) - わんにゃんさん» ありがとうございます。中々更新できず申し訳ありません!!できるだけ早く更新できるよう頑張らせて頂きます。 (2020年7月2日 21時) (レス) id: ff777945fb (このIDを非表示/違反報告)
わんにゃん - とても面白くてこの作品大好きで応援しています!頑張ってください、楽しみにまってます!! (2020年6月30日 18時) (レス) id: 6ebda506cf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:バンビ | 作成日時:2020年1月2日 17時

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