絆と恋は相違する

12,光彩を散らした噴水 ページ12

彩side



若武に14時に皆を集める様に頼んだ。



電話を掛けた時の若武と言ったら凄かった。



物凄く動揺してるんだもの。



「…私に期待してるのかな。」



元に戻れるって、まだ信じてるの？



滑稽だよ、私なんかに未だに縋ってるなんて。



……さっさと現実見てよ。





＊





待ち合わせ場所の噴水広場。



きらきらと水が光を反射して美しく輝いた。



「アーヤ…全員揃った、けど」



皆の方へ振り向いて精一杯の笑顔を向ける。



「久し振り。」



若武達は、ほっと安心した様に息を吐く。



六人の瞳は嬉々として煌めいていた。



これから貴方達の期待を裏切るのは私なのに。



皆の笑顔を消すのは私なのに。






「私、皆とは離れる事にしました」



何の未練も無かった。



「若武、上杉君、黒木君、小塚君、翼、忍。



KZと過ごした時間…凄く楽しかったけど。」



孤独は嫌なの。



独りになりたくないの。



優秀な貴方達なら分かってくれるでしょ？




「さようなら。また逢えると良いな。」





皆を切り捨てる事で新たな友達が出来るから。




一番滑稽なのは私だね。




孤独を避ける為に随一の仲間を切り捨てた。





唖然として固まっているKZを見た。



噴水はバラバラと水が垂れる不快な音を作る。




「ごめんね。」





瞬間、強く二の腕を掴まれた感触がした。




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