第二話 ページ4
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『…今日はシフト早めか、急がないとな…』
放課後、僕はまたバイト先へと向かっていた
今日は水曜日で店員さんが少ない日。そのせいもあって早めに向かわないといない
_____のだが…
ニャオ……ニャーオ
『!』
誰かに助けを求めるようなか細い声。
鳴き方からして猫…
ニャァ…
また声がして上から葉っぱが落ちてきた。
その方を見るとやはりそこには木から降りられない猫の姿
『…まじか…なんでそんな所いるの…?』
「ニャア」
『……えーっと…助けようか…?』
「ニャ」
木陰に包まれている三毛猫が偉そうに返事をした
もっと可愛くねだればいいのに…
『わかったよ…少し待って』
運良く塀もあるし、ここに登って助ければ問題ない
僕は使い回されて汚れたエナメルバックから、左手用の黒い革手袋を取り出す
頑丈な代物で指先まで硬く、何重にも重なった革は厚く、動かしづらい
『よし…今行くから』
「ニャア」
『よいしょっ…と』
手首のベルトをしっかりと締めて、塀に乗っかった
そして足を太い木の幹にかけて、猫に手を伸ばす
『ちょっと…こっち寄って…よ』
「ニャアア…」
『え。なんでちょっと怒ってんの…?_____う…わ!?』
「フシャァァアァ!」
僕が革手袋で猫の横腹を摩ると突然そいつが怒り出す
この手袋が怖くなって爪を剥き出しにしてきた。
鋭利な刃となったソレが僕の腕に赤い線を引く
『痛…っ…大人しくしろよ、怪我するだ』
ガクンと脚が滑り落ちた。
最後まで猫に言うとこはできず、「落ちる」と悟った時咄嗟に猫の体を掴んだ
重力に逆らえることなんてできずにアスファルトとぶつかった
『うぐぅ!?』
「ニャ!」
『…痛って…。大丈夫か猫…?』
「ニャン」
『……そうかよ…』
なんとか猫を抱えて、背を打ち付けた。
三毛猫は無事なようで「ありがとな」とでも言うように返事をしてる
猫は気分屋というのは事実だったらしい
猫が他に怪我をしてないか体を見回す。すると背後に気配を感じた
『っ!!』
「…大丈夫か?」
『…え…あ、はい…』
すかさず背中を向けまいとその方向に体を動かす
しかしそこには着物を着た和風な男性。
少し驚いた顔と心配した表情でこちらをのぞいていた
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みき - とっても面白いです!更新頑張って下さい! (2019年6月16日 8時) (レス) id: 8d56403f64 (このIDを非表示/違反報告)
☆のん☆(プロフ) - 11話、淳じゃなくて「敦」です。キャラクターについての誤字はもっと気をつけたほうがいいと思います。 (2019年5月21日 15時) (レス) id: b41524b4b3 (このIDを非表示/違反報告)
十夜 - クドい様ですが、敦が淳になってます。 (2019年5月6日 21時) (レス) id: c029fe2fa8 (このIDを非表示/違反報告)
ルーカス - 続きめちゃめちゃ楽しみにしてます! (2019年5月1日 21時) (レス) id: 9beb8a0104 (このIDを非表示/違反報告)
なっつ(プロフ) - 中島敦が中島淳になってますよー!更新応援しています! (2019年4月26日 21時) (レス) id: 956baee6af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水餅 | 作成日時:2019年4月20日 12時