第二十四話 ページ26
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「…銃声…?」
ポツリと呟いた言葉が暗く湿った空間に響く
誰もその疑問に答えることはしなかった。
彼がいたのはポートマフィアの拷問室
そして捕まっている彼はポートマフィアの敵_____武装探偵社の太宰だった
「………まぁいい」
ポートマフィアの拷問室と言ったら人が泣いて嫌がる所だ
無事で帰ることは愚か、生きて帰れる保証も無いはずなのだ
しかし太宰は我が家にでもいるような表情
「どうやって対処するのかな?………鈴」
*
『危ないですよ』
「!?!?」
銃弾はしっかりと彼に入ったはずだった
しかし腹から血が噴き出すわけでもなく、青年が呻き声を発するわけでもなく
ただそこに立っていた。
傷はもちろんなく、銃弾さえもなかった
「なっ…貴様の異能力は「人を破壊する」もののはずっ!」
『僕の異能…まぁ正解ですね。でも僕は記憶や、超機密情報…人間の存在、生物も絶滅させることも可能です。』
「!?」
『残念ですね。情報不足です…。それで?その穴だらけな情報を与えたのは誰ですか?』
鈴の手からパラパラと粉末状の何かが落ちる
先ほどまで銃弾“だった”ものだ。
異能によって跡形もなくなっている
『こうなりたくなかったら答えてください。』
「…っ…」
『…僕、待てができるほど良い子じゃ無いんですけど』
「…………」
樋口は何も言わずに銃を構え続けている
その姿を見て、溜息をついた。仕方ないとでも言うように一歩ずつ近づく
渇いた革靴の音がゆっくりと室内に響く
『貴女の返答次第でマフィアの機密情報は漏らさないでおきます』
「!何か知っているのか…!」
『…はい。知ってますいくつも』
「…お前何者なんだ」
『早くして下さい。でないと貴女が慕っている「芥川龍之介」のポートマフィアが滅びますよ』
「!!」
「芥川龍之介」の言葉に樋口は目を大きく開いた
肩が跳ねて、銃を構えている腕が一瞬下がる。
この言葉に弱いのだ
『吐けば、ポートマフィアと「芥川龍之介」、貴女の無事も保証しますよ』
「〜〜っ…」
『どうしますか』
樋口は鈴を見て思った
悪魔のような冷徹な眼光が彼女を突き刺す状況下で
「…バケモノ…」
*
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みき - とっても面白いです!更新頑張って下さい! (2019年6月16日 8時) (レス) id: 8d56403f64 (このIDを非表示/違反報告)
☆のん☆(プロフ) - 11話、淳じゃなくて「敦」です。キャラクターについての誤字はもっと気をつけたほうがいいと思います。 (2019年5月21日 15時) (レス) id: b41524b4b3 (このIDを非表示/違反報告)
十夜 - クドい様ですが、敦が淳になってます。 (2019年5月6日 21時) (レス) id: c029fe2fa8 (このIDを非表示/違反報告)
ルーカス - 続きめちゃめちゃ楽しみにしてます! (2019年5月1日 21時) (レス) id: 9beb8a0104 (このIDを非表示/違反報告)
なっつ(プロフ) - 中島敦が中島淳になってますよー!更新応援しています! (2019年4月26日 21時) (レス) id: 956baee6af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水餅 | 作成日時:2019年4月20日 12時