57*可愛いから困るんだろ。 ページ8
国見英side
泣いたり怒ったり、反応が面白くてわざと遠ざかるも意味わかんねぇ奴に絡まれてる。
…掴んだ手が離されないことに少し安心した。
横を見ると俯向いたまま。
Aさんって俺の事好きですよね。
そう聞きたいけどいじめ過ぎた事を思うと口には出せなかった。
｢送ります。｣
｢…うん。｣
今度は素直。
中学入って、初めて会った時はすごくお姉さんに思えた。
誰に対しても親切でいつも楽しそうで。
先輩ってこんな感じなのかなって感じていた。
高校に入ってもそれは変わらないけど、近づくにつれ甘えたがりで強がりで、意外とすぐ拗ねるたり喜んだりする人なんだと知る事が出来た。
｢…国見ちゃん。｣
｢なんですか？｣
｢私送ったら、あの子の所に行くの？｣
｢行って良いんですか？｣
またわざと言っている。最初から行く気もないし、あんたと一緒に帰りたいから追い掛けて来たって言うのに。
繋いでいた手をギュッと握られ、すぐに離されてしまう。
｢行ったら私泣いちゃう。｣
泣きそうに笑うから、胸が痛くなる。
濡れたままの睫毛が街頭に照らされて無駄にキレイだ。
｢国見ちゃんが他の子を求めるのも触るのイヤ。
こんなに近くに居るのに私じゃだめなの？
ヤルだけなら私…経験は無いし怖いけど…｣
見ていて苦しくなった。
手を伸ばし抱きしめれば、微かに震えていて
好きな相手にこんな事を言わせる自分を悔やんだ。
このまま抱いてしまえば、きっとAさんとはそれ以上の関係にはなれずに終わる。
俺が欲しいのはやるだけの関係じゃない。
｢泣かないで下さい。
行かないしやりません。｣
｢…ホント？｣
｢ホントです。｣
｢どうして？｣
｢どうしてって…俺はAさんが好きなので。｣
胸を押され、距離ができた事でAさんの顔を見れた。
泣いた跡が残る顔は、どこかバレー中の及川さんを彷彿とさせるしたり顔…
｢そっかぁ。国見ちゃんはAさんのこと大好きだもんね。｣
｢…｣
｢ヤキモチ妬いたし、本当に悲しかったの。
でも付き合ってる訳じゃないから何も言う権利は無いでしょ。
ただ…私と他の子を天秤に掛けたのは頂けなかったかな。｣
｢え、あの…Aさん…？｣
｢舐めるなよ、クソガキ♡｣
にっこり笑う顔が怖いと思ったのは初めてかもしれない。
振り回したつもりで最後は振り回されたのか…？
穏やかな顔していてもこの人も怖い。
今日の行いを少しだけ反省した。
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モカ(プロフ) - Neo.@ねおじゃなくてねぉ.さん» コメントありがとうございます！キュンキュンして貰えて嬉しいです♪更新頑張りますね！ (2020年1月19日 1時) (
レス) id: d3f4b94a5b (このIDを非表示/違反報告)
Neo.@ねおじゃなくてねぉ.(プロフ) - ホントに胸がキュンキュンします!!応援してます!!! (2020年1月19日 0時) (レス) id: 2a7a0a653c (このIDを非表示/違反報告)
モカ(プロフ) - ひななさん» コメントありがとうございます！そう言ってもらえると嬉しいし、ヤル気も出ます！更新頑張りますね！ (2020年1月11日 2時) (レス) id: d3f4b94a5b (このIDを非表示/違反報告)
ひなな(プロフ) - 毎日毎日このお話を楽しみにしてます！これからも頑張ってください！ (2020年1月10日 13時) (レス) id: 7b6c2dd18e (このIDを非表示/違反報告)
モカ(プロフ) - 森のいちごさん» ありがとうございます！更新頑張りますね！ (2020年1月6日 12時) (レス) id: d3f4b94a5b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：モカ
| 作成日時：2020年1月5日 16時
